経済産業省は、全国の中心市街地にある大型空き店舗について実態調査を始めた。まちなかのにぎわい回復に向け、集客力のある百貨店など大型店をまちなかに再び誘致するのに必要な立地環境や課題を探るのが狙いだ。八月中に約千八百の全市町村を対象にしたアンケート調査を実施し、九月中にも結果をまとめる。同省と業界団体が連携し、大型店に対する不動産物件の紹介といった情報提供や誘致の働き掛けを行うことも検討しており、地域と大型店とをつなぐ「マッチング」の役割も果たしていく考えだ。
【目立つ「シャッター通り」】
各地では、マイカーの普及と大型ショッピングセンターなど郊外型店舗の進出で、かつてまちの顔として栄えた中心市街地が衰退。市中心部とはいえ、昼間も人通りが少なく、店も閉まったままの「シャッター通り」化した商店街も目立つ。
いわゆる「まちづくり三法」の見直しで、昨年八月には、空洞化する商店街の再生とともに、「コンパクトシティー」を掲げて都市機能をまちなかに集約し、高齢化時代に誰もが歩いて無理なく移動できるまちづくりを目指す改正中心市街地活性化法が施行。同法に基づき、今年二月に初認定された○○、○○両市に次ぐ第二弾の中心市街地活性化基本計画として、五月下旬には、○○県○○市、○○市、○○市、○○市など十一市が認定された。
調査は、売り場面積がおおむね三千平方メートル以上の空き店舗が対象で、かつて店舗があった空き地を含む。市町村を通じて、空き店舗の件数や広さ、状態、駐車場の有無、立地環境(幹線道路沿い、商店街、駅前など)、閉鎖の時期と理由、土地・建物の権利状況(誰が持っているか)などを把握する。市町村など地域で、こうした店舗をどのようにとらえ、活用しようとしているのかの検討状況も尋ねる。
同省は集めたデータについて、不動産のプロや学者らで構成する「大型空き店舗等調査検討委員会」(委員長・○○○○大大学院教授)などの意見も聞きながら、市町村、商店街などまちづくり関係者らが、大型店立地の適否や今後のまちづくりの在り方を考える材料として活用する。また、百貨店協会やチェーンストア協会といった業界団体を通じて大型店への情報提供することなども検討しており、中心市街地の状況に合った大型店の誘致につなげる考えだ。
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