【ロンドン(英国)25日 丸井 乙生特派員】
ウィンブルドン選手権第3日は二十五日、男女シングルス1回戦
などを予定していたが、雨にたたられた。第2日の女子シングルス
1回戦は吉田友佳(21)=ミキハウス、同67位=が、平木理化(25)
=NTT、世界83位=との日本人対決をストレートで制し、同選手
権本戦初出場で白星を挙げた。全仏混合ダブルスで優勝した平木は、
今後はダブルスでF・ラバト(26)=アルゼンチン=と、混合ダブ
ルスは全仏と同様にマヘシュ・ブパシ(23)=インド=と組んで出
場する。
刈りそろえられた芝のコートで、小柄な二人が向き合う。日本人
同士の1回戦。本戦初出場の吉田の落ち着きぶりが光った。
昨年末から特訓中のサーブで、平木のリターンを崩す。第1セッ
トは3ゲーム目をブレークするなどして5−2。第8ゲームはマッ
チポイントから4度のジュースを経て6−2で取った。第2セット
は平木が逆襲し、0−3とするが、そこから圧巻の6ゲーム連取で、
同選手権初白星を挙げた。
九三年に吉田はジュニアのダブルスで準優勝している。「あの時
はいつの間にかセンターコートにいた。今回は実感のある勝利です」
とニッコリ。「地に足がついていた」と清宮健一・ナショナル強化
コーチも褒める試合運びだった。五月からの欧州遠征にイタリア人
の新コーチが帯同、「新しい空気を入れようと」(米沢コーチ)し
たことが功を奏した。2回戦は九四年覇者のC・マルティネス(25)
=スペイン、同11位=と対戦。「1回戦突破はすごくうれしい。次
はどうしましょうか」と冗談めかした。
敗れた平木は、いつもの高い声も沈みがち。全仏混合ダブルス優
勝で慣れないマスコミ攻勢に戸惑い、一時は体調を崩した。「いろ
んなことが起きすぎて理解を超えてしまった」とメンタルの乱れを
敗因に挙げた。しかし、快挙の余韻はまだ続いている。アジアテニ
ス連盟が今年二月に制定した年間最優秀選手賞に最有力候補に、相
棒のブパシとともにノミネートされた。「これから自分を取り戻し
ていきたい」と全仏再現へ向けて気持ちを切り替えていた。
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