○○市教育委員会は二〇〇七年度、小学校の総合的な学習の時間で行っている英語活動で利用する「英語発音DVD」を独自で作製し、六月に市内全小学校に配布した。「L」など二十三の子音と「E」など十三の母音の発音を練習するためのもので、「リスニングに狙いを絞り、発音を正しくして中学校に送り出したい」との市教委の思いから、学校教育課の○○○○指導主事が中心となり二年がかりで作った。実際に利用している教諭からは「映像をまねすることで自然と正しい発音ができるようになる」とおおむね好評で、「利用したい」と購入する県外の小学校もある。
【楽しみながら学び好きになって】
○○市立○○小学校(○○○○校長、児童数XXX人)では、研究指定校として二〇〇六年度にDVDの試作版が配られた。校内には「English Room」もあり、英語教育への熱意がにじむ。教室には至るところに英語が書かれてあり、英語漬けの環境だ。四年一組の英語活動の授業では、児童たちの笑いが絶えない。「ミスターA君、リッスン」と、担任の○○○○教諭(三〇)も、できる限り英語を使う。
授業の流れの中で「game」という単語が出てきた。作道教諭は「a」の発音を確認するために発音DVDを利用。一つの発音について映像は三分間程度だが、発音の仕方の説明、外国人の口元のアップなどを通して「game」と「a」を復唱させる。「一つの発音を取り上げて集中的に練習させているが、生徒は熱心に聞いている」というのは市教委が派遣する英語活動支援の○○○○講師(四一)。「先生より生徒の方が発音が良かったりする。DVDのおかげ」。一方、作道教諭は「DVDは使い方次第。一回の授業で、二、三個の単語の発音を練習したら生徒は飽きる」と語る。
同様に、二〇〇六年度からDVDを活用している市立○○○小学校(○○○○校長、児童数XXX人)。○○○○教務主任(五二)は「外国語指導助手(ALT)の外国人の授業は一月に一度あるかないか。ALTがいないときの発音確認のやり方として、DVDは役に立つ」と話す。同校の教諭からは「オープニングの面白い映像に生徒は引き込まれる」「楽しく趣向を凝らしている」とまずまずの評価を受けている。
○○市では全小学校で、三年生以上を対象に英語活動を実施している。歌やゲームを通した活動が中心で、「中学校の勉強の先取りではなく、意欲付けと正しい発音を身につけさせること」(○○○○指導主事)が目的だ。小学校教諭に対して、発音の改善のための研修も実施している。
「国際化」を合言葉に、全国の小学校がそれぞれ四苦八苦しながら英語教育を行っている。英語学習の上で発音は避けては通れない大きな壁。実際に英語を流ちょうに操れるようになるには長期間の努力が不可欠だが、○○○○指導主事は「小学生は発音の吸収が早い。DVDを利用して楽しみながら正しい発音を学び、英語好きになってほしい」と期待する。
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