木もれび/伝統芸能に若い力
「ドン、ドン」。静かな森に、地をはうような太鼓の音が響く。
仙台市太白区秋保の石神地区。35年の歴史を持つ歌舞団「ほうねん座」は、ここにけいこ場を設け、年200回を超える和太鼓や民謡の全国公演を続けてきた。日本人の「心」を伝える「民族芸能」に魅了され今月、1人の若者が9人目の仲間に加わった。
XXさんは八戸市に育ち、仙台で大学時代を過ごした。小学生のころから吹奏楽部に所属。八戸の郷土芸能「えんぶり」にも、おはやしとして参加した。大学2年の時、ほうねん座と出会い、けいこ場をたびたび訪れるようになる。
宮城県北の幼稚園に就職してからも、準座員として週に一度は通った。そのうちに「『民族芸能』に打ち込んでみたい」という思いが募ってきたという。園長や両親に慰留されたが、「自分がやりたいことを大切にしたい」と、3年間勤めた幼稚園を辞めた。
今は和太鼓と洋楽器の合奏や、新しい音楽の創作にも取り組む。XXさんは「伝統の上に、自分たちで新しい歴史を築いていく充実感がある。多くの人々に芸能の多様さを伝えたい」と意欲満々。デビューは6月の公演だ。
※このサンプルは検索結果のイメージです。