欧州中央銀行(ECB)は5月7日の政策理事会で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)をX.XXポイント引き下げてX.0%とした。政策金利は史上最低を更新した。ECBは、カバード・ボンドの買い入れや固定金利・期間1年の資金供給オペ実施など、新たな手段の導入も決めた。
<カバード・ボンド購入はXXX億ユーロ規模>
今回の政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)引き下げにより、XX年XX月の緊急利下げ以来の下げ幅はX.XXポイントに達し、政策金利は史上最低をさらに更新してX.X%になった(図参照)。オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利である限界貸付金利も、同様にX.Xポイント引き下げられ、X.XX%となった。一方、オーバーナイト預入(翌日満期)金利である預金ファシリティー金利は、X.XX%に据え置かれ、初めて政策金利との差がXポイントを下回った。
政策理事会後の記者会見でXXXX総裁は、X.X%の政策金利が下限とする見方を否定しながらも、今回の政策決定は適切だと繰り返し強調した。
前回の政策理事会後の記者会見で、XXXX総裁は「5月の次回理事会では追加的な非標準的措置を取るかどうか決定する」としていた。これを受けて、今回の政策理事会ではユーロ圏で発行されたユーロ建てのカバード・ボンド(注)の買い入れを決定した。詳細は次回(6月4日)の政策理事会で決定されるが、規模についてはXXXX総裁がXXX億ユーロ規模と表明した。
今回の政策理事会では、固定金利・期間1年の資金供給オペの実施も決定した。6月25日、10月1日、12月17日の3回行われる予定で、応札額に対して全額が供給される。さらに、長期融資を担う欧州投資銀行(EIB)がECBの資金供給オペに参加することを承認した。
<景気回復はなお遠い>
今回の決定についてECBは、商品価格の下落や内外の経済活動の後退により、引き続き価格上昇圧力が弱いことを考慮したという。景気の動向については、09年第1四半期に予想を上回る急激な後退があったものの、非常に低いレベルで安定する兆候も出始めたとしている。当面の間、内需と外需がともに弱い状況が続き、ユーロ圏を含む世界経済は後退が続くが、10年にかけて徐々に回復すると予測している。
XX年X月のインフレ率はX.X%で、前月から変化しなかった。弱含みの状況はXX年半ばまで続くものの、その後は物価上昇に転じるため、中長期的なインフレ率は「X.X%を下回るか、その近辺」とする政策目標に確実に収まるとしている。
<財政規律回復にクギを刺す>
ECBは今回の政策理事会でも、各国政府の刺激策や金融システム回復のための措置について、ユーロ圏内外の外需と内需の拡大に役立つと評価した。一方で、ユーロの信認維持に関係するため、単年の財政赤字の上限をGDP比X%とする欧州成長安定協定の目標への回復について、具体化することが必要と改めてクギを刺した。景気刺激策実施のために、各国の財政赤字は急増すると予測されている(表参照)。
(注)カバード・ボンドとは、民間銀行などが、自ら行った安全性の高い融資を担保にして発行する債券。担保となる債権、カバード・ボンドのいずれも、発行した金融機関のバランス・シート上に残る。カバード・ボンドは、担保債権と発行金融機関自身の双方に遡求(そきゅう)できるため、各国国債に次いで信用力が高く、国債よりは若干高めのリターンを期待できるとされている。発行金融機関は、低利で資金調達を行うことが可能になる(日本総研ウェブサイトによる)。
(XXXX)
(欧州・ユーロ圏)
※このサンプルは検索結果のイメージです。