日本を産油国に−。地球上に4万種以上存在する藻類の中には油を産出するものがあり、この「藻類オイル」を大量生産し、ガソリンなどに代わる燃料として活用しようというプロジェクトが進められている。現在、産官学の連携による大規模培養技術の実証研究などが行われており、東京五輪が開催される2020年をめどに実用化を目指している。
藻類はオイルの生産効率の高さが特長で、休耕地などを利用し屋外で培養した場合「1ヘクタール当たりの年間オイル生産量は、種類によってはトウモロコシの約800倍に上る」という。
国土の狭い日本でも一定量の生産が可能で、光合成などによって培養された藻類から抽出・精製したオイルは現在使用している燃料に混ぜて使用でき、大気汚染の原因となる窒素酸化物を発生させにくい利点もある。
国内外で自動車の走行実験、航空機の飛行実験が成功しており、実用化に向け注目度は高い。ただ、日本の場合、休耕地の利用には規制緩和が必要となるほか、生産コスト、量産化による性能の変化など解決すべき課題は多い。仮に市販にこぎ着けたとしても、なじみのない藻類オイルの利用が広がるかどうかは未知数だ。
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