OFF BUSINESS 素顔の役員 EXECUTIVE
一足早い酒場での“ウィーン・デビュー”
○○○○・取締役技術本部技術企画部長 ○○健四郎さん(59歳)
入社以来34年間、○○○○の管弦楽部でバイオリンを弾いている。
当部には音大出身でソリスト級の腕前の人たちが数人いて、企業の管弦楽部のコンテストである日本産業音楽祭では毎年、最優秀賞を獲得している。
15年前からは、年末に本社2階で、「ロビーコンサート」を開いている。昨年4月には新宿パークタワー1階広場で、一般向けに無料演奏会を催した。
目下の目標は、クラシック音楽の本場、オーストリア・ウィーンで演奏することである。
4年前、同地のガス会社ウィーンガスから招待状をいただいて、部員全員で検討したが、「ウィーンの聴衆を前に演奏するにはまだ未熟」という結論に至ったのだ。もう少し国内で場数を踏んで、部員の自信が十分についたところで、渡欧する考えだ。
ただ私自身はすでに肝試しをはたしている。10年前、国際ガス会議に出席するため、ウィーンに出張した。会議終了後、繁華街にくり出した。ある酒場で店のバイオリン弾きが客席を挨拶に回った折、自分も趣味で弾いていると言ったところ、「日本の曲を弾いてみろ」と言われた。そこで彼から楽器を借りて、「荒城の月」など3曲ほど披露した。どんなふうに聞こえたかは定かでないが、それ以降、会の出席者ともぐっと親しくなることができた。音楽をやっていてよかったな、としみじみ思えたできごとのひとつだ。
ダイヤモンド社
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