円高が急進している。07年6月には月の平均値で1ドル123円を記録した為替相場は、現在(11月20日)ついに1ドル95円まで円高が進んだ。
輸出大国である日本では、円高進行を受けて利益が縮小し上場企業の決算では下方修正が続出している。こうした円高の原因はなんだろうか?G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索で調べてみた。

※2004年11月からのドル円為替の推移
金融危機で傷を受けていない日本の評価が高まる
円高の原因には様々な見解がある。その中の一つとして、サブプライムローンを発端とする金融危機で、欧米各国に比べて日本が大きな傷を負っていない事から、日本の評価が相対的に高まったとする見解がある。
バブル崩壊後の日本銀行の保守的な資金運用が、結果として今回の金融危機に際して欧米と比べると相対的に強いと見られているようだ。また、日本は国債発行額は多いものも対外債務は少なく、外貨準備高など財政余力も優れているとの点が、円高要因と見られている。
金融危機が欧州にも飛び火した現在、国際投資資金による安全な通貨への乗換対象として「円買い」が進んでいるというのだ。
新聞記事によると「円が世界で最も価値の高い通貨になる」と予測する国外の銀行関係者もいるようだ。
金利格差の収縮、円キャリートレードの巻き戻し
もう一つには、欧米各国が大幅な利下げをする中日本との金利差が縮小し、また日本が利下げし難い環境にある事から、円を買う動きが強まったことが原因として挙げられている。
日銀は超低金利が続き10月に0・5%から0.3%に利下げを実施したが、この先は0.3%しか金利を下げようがない。一方ドルは1年で3.75%もの金利が下げられ、日米の金利格差は5%から0.7%まで縮小している。大幅な金利差の縮小といえよう。
これに関連するのが、円キャリートレード解消が加速しているのではという観測だ。円キャリートレードとは、低金利で調達した円資金を用いて高金利の海外に投資する取引だ。これが金利格差がなくなる事で解消が進んでいるという見方だ。
円高はどこまで進むのか?
まず、為替相場を予想することは無理だろう。その上で為替水準に関する「ビックマック指数」という面白い考察があった。
これはマクドナルドのビックマック販売価格を各国で比べ、各国の購買力平価を計算するものだ。ビックマックが、全世界でほぼ同水準で発売される事から考えられたもので、例えば、日本で290円で売られるビックマックは、アメリカだと3.57$、ヨーロッパでは3.37ユーロだ。
ビックマック価格を基準に、為替を考えると1ドルは290円を3.57ドルで割った81円、1ユーロは86円程度と考えられ、まだ円高が進むだろうという考察だ。
本来、自国の通貨価値が上がる事は嬉しいことに思えるが、日本は輸出による利益が多い一方で内需が弱い傾向にある。
一部企業には円高による資源購入費用が削減できるメリットはあるだろうが、大部分の市民にとっては影響が少なく、株にせよ為替取引にせよ損失を被りやすい環境でもある。
せめて海外旅行をして円高メリットを受けたいところだが、次のボーナスは出るのやら、なかなかその気になれないのが辛いところだ。