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ノートパソコンとの住み分けはできるか
100円パソコンまで登場!人気上昇中のミニPCとは何か?
2008年9月16日 (text by や)

年々低価格化が進むPC市場で、ミニPCなるものが話題となっている。さらには100円パソコンなるものまでが登場し、パソコン市場は新しい展開を見せているようだ。今回はミニPCみついてG-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみた。

ミニPCとはノートパソコンをふた周り程度小さくしたノートパソコンだ。画面が10型以下と小型である他、記憶媒体の容量や処理能力、国内PCには多数盛り込まれる付属ソフトなどが抑えられている。従来の“何でも出来る“パソコンから、利用目的を特定して不要な機能を削ぎ落としたパソコンだ。

インターネットのブラウジングやメールなどの利用を主目的としており、その小型さから持ち運びにも便利で、外出先でのネット接続など、用途を特定した2台目として購入されるケースが多いようだ。

台湾メーカー製品で人気に火が

ミニPCは、台湾メーカーASUS(台湾アスーステック・コンピューター)が発売した4万円台のPC「EeePC」で人気に火が付いた。EeePCは、2007年10月の発売から2008年6月末までに全世界で200万台を出荷する大人気を見せ一躍注目を集めた。日本では2008年1月より発売され、販売から3日間で日本向けの入荷の1万台が完売した。

EeePCは後続機種も好調な売れ行きで、これに続いて台湾メーカーの他、日本HPも5万円台のミニPCを発売。さらにデルも、9月5日に「Inspiron Mini 9」を発売。世界的に高いシェアを持つデルの参入によりますますミニPC市場は熱くなりそうだ。

◆現在まで発売されている主なミニPCをまとめてみた。

  • Eee PC 901−X(台湾アスーステック・コンピューター)
    低価格ミニノートのブームの先鞭を付けたEee PCの第2弾。約5万9800円 発売日7月12日
  • HP 2133 Mini−Note PC(日本ヒューレット・パッカード)
    5万9850円発売日 6月24日
  • Aspire one(日本エイサー)ASUSと並ぶ台湾パソコン大手、エイサーのミニノート。約5万4800円 発売日 8月中旬
  • Wind Notebook U100(エムエスアイコンピュータージャパン)台湾メーカーの一社、MSIのミニノート。8.9型液晶を使うメーカーが多い中、U100は10型液晶を採用。約5万9800円 発売日 7月4日
  • SC3KP06A(工人舎)工人舎のAtom搭載機。8万9800円 発売日 7月上旬
  • InspironTM Mini 9(デル) 8.9インチミニノート49,980円 発売日 9月上旬

これを見ると、EeePCを発売した台湾メーカーが3社も販売を手がけ市場をリードしているのが分かる。

海外メーカーでは、HPに続き、デルがミニノートを発表し、ミニPC市場が激化している。一方日本メーカーは、工人舎がAtom搭載のPCを発売しているがまだ9万円近くの値段だ。他の大手メーカーでは富士通など開発を予定しているメーカーもあるが、今のところ具体的な発売の予定はない。

国内メーカーの動向

低価格のミニPCが登場するようになったには、米インテルの小型機器向けCPU「Atom」の存在が大きい。他のモバイルノート向けCPUに比べてAtomは半額程度だ。従来のCPUUより処理能力が劣るのだが、インターネットやメール。文書作成や簡単な表計算程度なら問題なくこなせる性能を持っている。

こうした状況で国内大手パソコンメーカーの動きはどうだろうか?新聞・雑誌記事横断検索を使うと、各社の動向について紹介されていた。

それによると富士通は、この秋からシンガポールや香港で五万〜六万円のミニノートPCを投入する。ソニーも市場参入を表明している他、東芝も参入がうわさされており記事によると「今後一年以内に、ほぼすべての主要メーカーの製品が出揃う」という。

とはいえ、海外メーカーに比べると動きの遅さを感じさせるミニPCの展開だ。記事によると、各社とも一台から一人一台へとPCの普及を加速させるためには、低価格PCの投入が不可欠だとわかってはいたが、既存のノートPCとの食い合いを懸念して投入できないでいたという。

EeePCを発売したASUSは、マザーボードメーカーであり自社ブランドの製品はさほど多くないため思い切った舵取りができたが、国内メーカーは、既存のラインナップとの兼ね合いを考える必要があり、踏ん切りが難しいのだろう。

気になる市場の食い合いは今のところ見られていないが、いつ始まってもおかしくない状況だ。ミニPCは、各機種でスペックが似通いデザインやブランドイメージ以外で差別化が難しい。低価格のままに高性能化する差別化に向えば、ノートパソコンの一部を駆逐する可能性がある。

ミニPCは利幅が薄く、利益を出すには販売台数をこなす必要があるため、通常のノートパソコンからこれに販売の比重が多くなりすぎることで、事業収益が悪化することもありうる。ミニPCの投入は国内大手各社には厳しい判断となりそうだ。

100円パソコンまで登場

さてこうしたミニPCの低価格戦略で特に顕著なのがイー・モバイルで実施する「100円PC」のキャンペーンだ。

イー・モバイルへの2年加入を条件としてブームの火付け役となった「EeePC」を100円で販売するこのキャンペーンは、契約期間の2年間はイー・モバイルの月額基本料金に900円が上乗せされるのだが、ミニPCの「外出向けPC」とイー・モバイルの「高速無線ネットワーク」がマッチして人気となった。

販売店によると「在庫を厚くしたが品切れが起きた」程で、イー・モバイルの契約純増数は2008年8月の契約数発表でドコモの純増数に迫る8万4300を記録した。

BCNの「ノートPC売上ランキング」によると、販売台数ラインキングの上位5位のうち1位と2位と5位をミニPCが占めた。全体の割合で見ても10万円以下のノートパソコンは40%の割合に達している。

海外メーカーの販売だけでここまでの活況を示すミニPCだが、今後の国内メーカーの参入によりパソコン市場がどのように変化してゆくのか、非常に注目されている。

関連記事情報(for G-Searchデータベース)
2008.07.28 日経パソコン 第558号 66〜77頁 (全9,035字)
2008.07.01 日経コンピュータ 第707号 142〜147頁(全6,686字)
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