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コージーミステリをご存知ですか?
息抜きするならこんな本はいかが?〜コージーミステリのススメ(前編)(後編)
2008年9月2日 (text by ゆ)
コージーミステリの魅力その2「キャラクター」

さて、コージーの魅力としてもうひとつ外せないもの。それは、"ユニークなキャラクター"です。

読者の共感を得るためか、主人公は比較的常識人であることが多いのですが、事件のきっかけを作る人物であったり、狂言回しであったりと、「いかにも本当にいそう」なのに「漫画っぽい」という不思議なキャラクターがたくさん出てきます。

その最たるシリーズはこちら。ちなみに、このシリーズと出会っていなければ、筆者はコージー好きにはなっていなかった、大好きなシリーズです。

シャンディ教授シリーズ(シャーロット・マクラウド)

 探偵役:ピーター・シャンディ(50代後半〜60代前半?)
 職業:バラクラヴァ農業大学 応用土壌学教授
 主な舞台:バラクラヴァ(主要産業:農業)

農業大学の教授であるシャンディは、自宅で親友の妻の死体が発見された事件を解決したのをきっかけに、地域の探偵役を押し付けられます。時には旅先で、タイムスリップした世界で。毎回巻き起こるドタバタを思い切り笑っていると、そこに紛れた手がかりに気付かないのでご用心。

夫婦二人とも無意識に数を数える癖を持つラブラブなシャンディ夫妻の他にも、北欧神話の主神のような威厳あふれる(のに妻には頭が上がらない)スヴェンソン学長や、買い物かごに猫を入れて町をパトロールする警官や方向音痴の女性推理小説家など、ユニークな、そして愛すべき人物が目白押しです。

 オススメ作品:(東京創元社)
  「蹄鉄ころんだ」「ヴァイキング、ヴァイキング」「フクロウが多すぎる

なお、このシリーズの作者であるコージー・ミステリの大家、シャーロット・マクラウドは、シャンディ教授のシリーズ以外に、ボストンの旧家の生き残りであるセーラ・ケリングが主役のシリーズと、別名義(アリサ・クレイグ)で二つのシリーズがあり、いずれもコージーとして評判が高いです。

ただ、2005年にご本人が亡くなったせいか、最近あまり本屋で見かけなくなった(アマゾンなどでも品切れが多い)のが実情です。ホントにもったいない!

コージーミステリの魅力その3「食べ物」

最後にもうひとつ。

コージーでは、普通の生活の一環として、主人公たちが食べたり飲んだりするシーンが出てきます。たとえば前述のジェーンのシリーズでは推理のお供にたっぷりコーヒーの入ったマグとドーナッツが出てきます。シャンディたちは、台風の日にポット・ロースト(肉の煮込み料理)やクッキーを作ったりします。

モノ自体はさほど凝ったものではないのですが、何故か印象に残り、ふとしたときに思い出して思わず食べたくなること請け合いです。

最近、コージーの流行として、地元に密着した店を開いている30代独身女性が主人公のものが増えています(クッキーや紅茶、コーヒーショップなど)。こちらにはオマケとして再現可能な(できそうな)レシピが付いていることが多く、コージーと食べ物の縁の深さを感じさせます。

……ただし、最近のものはサスペンス要素が強く(犯人を突き止めるのではなく犯人に狙われる感じ)、肝心の中身より、主人公の恋愛模様や食べ物の印象ばかりが残るのがちょっと残念かつ心配なところでもあるのですが。

ジョアン・フルーク(お菓子探偵ハンナシリーズ)
オススメ作品「チョコチップ・クッキーは見ていた」(ヴィレッジブックス)

ローラ・チャイルズ(お茶と探偵シリーズ)
オススメ作品:「アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3」(ランダムハウス講談社文庫)

など

最後に

というわけで、コージー・ミステリの魅力を駆け足で紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

他にも、元気なお年寄りの大活躍が見たいなら「老人たちの生活と推理(海の上のカムデン)」シリーズや、猫好きには「トラ猫ミセス・マーフィー」、強烈なキャラクターが見たいならドナ・アンドリューズ"鳥シリーズ"など、オススメはたくさんありますが、長くなりすぎるのでこの辺で。

え? 私が好きなのはよくわかったけど、魅力はちっとも伝わらない?

それなら、是非読んでみて下さい。


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