8月もお盆が過ぎて、もう夏も終わりかけですね。今週からお盆休みを終えて、しぶしぶ(?)仕事に戻っている方も多いのではないでしょうか。
これが学生だったら、8/31まで休みなのになぁと思っていたところ、島根県の松江東高校など公立3高校では、お盆明けの18日から2学期が始まったそうです。
加えて、島根県内では公立高校の大半で8月中には2学期が始まるとのことで、高校生もあまりゆっくりできない様子。
聞くところによると、最近は私立・公立問わず小中学校でも夏休みを短縮するところが増えているとか。
うーん、せっかくの楽しい夏休みを短くするなんて。
でも親御さんからすると「昼ごはんの支度がめんどう」「勉強しないで遊んでばかりいる」「どこか連れていけとうるさい」といった点が解消されるのは嬉しいところかなぁ?
・・・まぁそれはそれとして、今回は子どもたちの夏休み短縮の理由を「新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみます。
授業時間が足りない
夏休みを短縮する最大の理由が「授業時間の確保」。
2002年度の学習指導要領の改訂、いわゆる「ゆとり教育」により、学校に完全週5日制が導入されました。更には、「自ら学び自ら考える力」を身に付ける「総合的な学習の時間」が新設されました。
休みが増えた上、学ぶ事柄も増えたとなっては当然、各科目で十分な授業時間を確保することが難しくなります。授業時間が少なくなると学ぶ内容が少なくなり、学力が低下するおそれがあります。
高校の場合、大学受験を控えてただでさえ授業が不足しがちのため、これはかなり重要な問題です。
このため、各学校では7時間目を設けたり、土曜日に補習を行う、1回50分の授業を48分にしてその分授業回数を増やす、などの対策を行ってきました。
2年ほど前、話題になった高等学校の履修不足問題。覚えている方はいるでしょうか?
高校を卒業したのに、一部必修科目の単位が足りてないという問題、実はこれも授業時間の不足が招いた結果だったのです。
例えば、高校の学習指導要領では世界史が必修、あとは日本史か地理のどちらかを選択となっていますが、大学入試で受験できるのは1科目のみ。
加えて世界史は範囲も広いし難しい。
だったらその分日本史か地理を勉強させよう。世界史は履修したことにしてしまおう。
大まかに説明するとこのような感じですが、一部の進学校では半ば公然と、授業時間を確保するためにこんな苦肉の策が行われていたわけなんですね。
小中学校の授業数は?
小中学校ではどうだったのでしょうか?
こちらは高校ほど深刻な問題ではありませんが、やはり限られた日数の中で総合学習・校外学習の時間を割かなければならないため、厳しいのが現実です。
授業時間が不足することはないが、学力が維持できないという点を危惧する学校もあるため、一部の学校では高校と同様に、授業時間の増加、補習等で補う方法が行われてきました。
さて、小・中高とも授業時間の確保、及び学力の向上に躍起になってきましたが、まだ十分ではありません。
そこで候補に挙がってくるのが、冒頭にも出た夏休みの短縮です。
もはや休みの分を授業に充てないと追いつかないというわけです。
このため、前述の鳥取県では2003年度より、学校の判断で夏休みを42日間から最低21日間まで短縮できるようにしています。
もっとも、この夏休みの短縮は一部の、いわゆる進学校のみの導入にとどまるところが多く、全国でもそれほど多くなかったのが実情でした。
しかし、来年度(2009年度)からは学習指導要領が改定され、小学校では週1時間、中学校では数学が年間70時間、理科が年間95時間と、大幅に授業が増えることになりました。「ゆとり教育の見直し」です。
今まで夏休みを削らずやりくりしていた小中学校でもこれには困り、一番生徒に影響の少ない夏休みの短縮に踏み切る学校が増え始めています。
東京都の板橋区では来年度から公立小中学校で7/21〜8/31までの夏休み42日を平日5日分短縮して授業にあてることを決定しています。また、東京23区ではすでに新宿区、豊島区など7つの自治体の小中学校全校で、杉並区など3つの自治体が一部の学校で夏休みを5日間前後短縮しています。
これから全国でも、来年度の学習指導要領改定に備え、夏休み短縮に踏み切る学校が増えていくかもしれません。
夏休み短縮の背景
さて、授業日数の不足によるあおりを食らった夏休みですが、どうやらそれ以外にも短縮の理由があるそうです。
学校に夏休みがある大きな理由の一つ、『夏の暑い時期に冷房設備の整っていない学校で勉強してもはかどらないから』。
ごもっともですよね。
ふと、筆者ははるか昔、風の入らない教室で汗を流しながら下敷きで扇いでいたのを思い出しました。汗でノートやプリントは肌にひっつくし、集中力はなくなるし、うーんあれは辛かった。
ちょっと話がそれましたが、近年、都市部の公立学校では冷房設備(エアコン、扇風機)の設置が進んできているそうです。というのも都市部ではヒートアイランド現象により都市部周辺よりも気温が上昇しているのだとか。
以前は保健室や職員室など、一部の特別教室だけだった冷房設備を、普通教室にまで広げたところが多いそうです。
学習環境を改善して、しっかりと勉強に集中してほしいといったところでしょうね。
さて、こうなると「暑くて勉強がはかどらない!」というお題目がちょっと弱くなってきます。
現に東京都葛飾区では小学校は2006年度から、中学校では2005年度から夏休みを1週間(平日5日間)短縮しています。その理由が「普通教室の冷房化が全て完了したから」。
これは子どもたちにとって嬉しいんだか、嬉しくないんだか・・・現代の子どもたちも何かと大変ですね。
ともあれせっかくの夏休み。滅多にない長期休暇なので、多少短くなったとしても子どもたちには普段出来ないことをして、楽しんでもらいたいものです。