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広がるダウンロード販売
欲しいものはデータでゲット?
2008年4月24日 (text by 杉)

インターネットを利用したコンテンツのダウンロード販売が盛んだ。音楽・映画に始まり、最近は家庭用ゲームまで購入することができるとか。

家にいながら手軽にインターネットで買い物が楽しめる昨今。形のあるものはネット通販で、コンテンツはダウンロードで、なんて当たり前の時代になるのかもしれない。今回はそんなダウンロード販売について、G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索を使って調べてみた。

ダウンロード販売とは?

「ダウンロード販売」とは、利用者がインターネットからソフトウェアやコンテンツをダウンロードして購入する販売形態のこと。主な決済手段は電子マネーやクレジットカードが利用される。

デジタルデータのみを販売するのが特徴で、物理的な商品は利用者の手元に一切残らない。利用者は「データをダウンロードする権利」を購入するとも言える。

利用にはインターネット環境が必須だが、ブロードバンド環境が急速に普及している現在では、近年利用者が増加しつつある販売形態である。

どんな商品が取り扱われている?

・音楽配信(着うた、着メロ、iTunesStore)
・映画
・ゲーム(ダウンロードゲーム、ダウンロードコンテンツ)
・(電子化した)書籍、ケータイ小説
・ソフトウェア

などなど。

今回は「音楽配信」「映画」「ゲーム」の3つについて現在どのような状況なのかをお話しする。

急増する音楽配信サービス

今や相当な普及率を誇るデジタルオーディオプレイヤー。その中でも一番有名なのはアップル社のiPodだろう。そんなiPodの登場により音楽市場も変わりつつある。

iPod発売元のアップルはiTunesStoreを2003年に開設。iTunesStoreではiPodの管理ソフトであるiTunesと連携し楽曲をダウンロードして購入できる。

利用者はわざわざCDを購入しなくても、1曲単位で好きな曲をインターネットを通じて入手でき、面倒な変換処理も必要ないという手軽さだ。

このiPodとiTunesの組み合わせにより、iPodを利用した音楽の聴き方は既存のCD主体から、ダウンロード購入へと変革を遂げた。

今や世界中の利用者は5000万人、累計販売は40億曲突破という勢いだ。

更にiTunesStoreは、2008年1月〜2月では米小売り最大手のウォルマート・ストアーズも抜き、首位になるという躍進ぶりだ。

携帯の着メロ、着ボイスに着うた

音楽のダウンロード販売の元祖(?)と言えば携帯の着メロ、着ボイスに着うただ。
主に中高生層などに高い人気を誇っており、人気ドラマとのタイアップなども盛んだ。
日本レコード協会による、2007年の国内有料音楽配信売り上げ実績のうち、パソコン向けの売り上げが59億円なのに対し、携帯電話向けは680億円で、音楽配信売り上げの90%以上を占める強力な分野だ。

音楽配信サービスの隆盛とは対照的に、CDなどのアルバム販売枚数は減少の一途を辿っている。同じく、日本レコード協会による2007年の有料音楽配信の年間売り上げ実績は、前年比41%増の755億円、一方CDとDVDを併せた音楽パッケージは前年比4%減の3911億円で、9年連続で前年実績を下回っているという。

シングルCD、アルバムによるパッケージ販売の衰退に伴い、音楽市場は徐々に配信サービスに移行しつつある。

デジタルオーディオプレイヤーの普及に伴い、主に若い世代を中心に利用者の意識も変わっている。今、音楽のダウンロード販売は日常に普及、浸透し、そして拡散状態にあるのではないかと思われる。

ひょっとしたら近い未来、パッケージ販売の牙城を音楽配信サービスが切り崩しているのかもしれない。

今後の展開が楽しみな映画配信サービス

映画といえば映画館で楽しむ、もしくは店舗でDVDをレンタル、というのが従来の、そして現在の主流であることは間違いないだろう。

インターネットを利用した映画配信サービスも現在はいくつか存在するが、違法コピー等を懸念し画質等に制限を加えたものや、旧作のみとしているものが殆どだ。

またもやアップルで恐縮だが、米国内で1月15日より「iTunesムービーレンタル」サービスが開始された。これはインターネットによるパソコンへの映画配信(レンタル)を行うというサービスだ。

このサービスでは利用者はリモコンを操作するだけで、iTunesで音楽を購入するのと同様に映画をレンタルすることができる。気になる画質だが、DVDクオリティのバージョンと、更にハイビジョン画質+5.1chドルビーサラウンドに対応したHDバージョンの二種類があるという。利用料も2.99ドル〜4.99ドルとお手軽だ。

ただし、あくまでもレンタルのため未視聴の場合は30日までしか保存できないし、一度視聴を始めた場合は24時間以内に視聴を終了しなければいけない。視聴が終了した後はレンタル終了となり、作品はハードディスクより削除される。

これらの仕組みにより、作品が視聴者の手元に残り続けず、違法なコピーを防ぐというわけだ。

ちなみに米国内の標準ブロードバンド環境では1GBの標準解像度コンテンツのダウンロードに2〜4時間、3GBのHDバージョンでは13時間と結構時間が必要になるとのことだ。
米国と日本ではブロードバンド環境が違うが、この時間はちょっとネックになるかも?

当面は米国内のみとなっているこのサービス、日本でのサービス開始はまだ未定となっている。視聴制限や著作権遵守、ダウンロード時間など、まだまだこの映画配信ビジネスへの課題は多いが、iTunesによる音楽配信と同様に、いずれ世界中に広がるサービスとなるのだろうか。

まだ全貌が明らかではないが、本月21日付けの米国ロサンゼルスタイムスでは、ソニーがPS3(プレイステーション3)を通じた映画、テレビ番組のインターネット配信サービスに向け、米国映画会社等と著作権などについて交渉していると報じている。
交渉がまとまれば、2008年夏にでも北米でサービスを開始するとのことだ。

ゲーム機での映像配信分野ではすでにXbox360が先行しているが、まだ市場規模が小さい。ソニーの参入により、映像のネット配信市場の開拓が更に進むと目される。

ゲームの世界にも広がるダウンロード販売

ゲームのダウンロード販売自体は、従来までは回線速度などの問題から対応数が少なく、パソコン専用とする向きが多かったが、近年の端末高機能化、ネットワーク化に伴い、携帯電話や家庭用ゲーム機にも変化が波及してきた。

もっとも、携帯電話の場合は短いサイクルで機種変更・仕様変更が行われるため、その性質上パッケージソフトとは相性が良くないという実情がある。そのためにダウンロード販売という形式が用いられるようになり、今現在も主流、そして標準となっている。

家庭用ゲーム機といえばパッケージソフトを購入するもの、というのが従来からの認識だが、この状況も変わりつつある。

WiiやPS3、Xbox360などのゲーム機には標準でネットワーク端子が装備されている上、各種コンテンツ、及びゲームソフトのダウンロード販売が盛んだ。ざっと調べてみたところ、各機種でダウンロード購入できるゲームは以下の通りだ。

機種サービス名主に提供されるゲーム
WiiWiiショッピングチャンネル・バーチャルコンソール(ファミコン等のソフト)
・Wii専用ソフトウェア
PS3プレイステーションストア・PS3,PSPのソフト
・ゲームアーカイブス(PSソフト)
Xbox360Xbox Live アーケード・アーケードゲーム
・Xboxクラシックス
・旧Xboxソフト

その他にも、ゲームソフトへの追加コンテンツ(追加シナリオやゲーム内アイテム)をダウンロード販売するケースも徐々に増えてきている。

そんな家庭用ゲーム機でのダウンロードコンテンツとして注目を浴びているのが、Xbox360の「アイドルマスター」というゲームソフトだ。

ソフト自体は日本国内で10万本程度と、それなりの販売実績でしかないが、ダウンロードコンテンツの売り上げは2008年1月の時点ではなんと3億円になっているという(ちなみに、2007年12月時点で「Wiiショッピングチャンネル」でのバーチャルコンソールの売り上げが全世界で780万本、35億円の売り上げである)。

コンテンツの性質の違いもあるが、国内のみでこの売り上げは驚異的とも言える。

気になるダウンロードコンテンツの中身はキャラクタ用の追加衣装やアクセサリなど。1着1000円以上もする衣装が飛ぶように売れているという。

この衣装データなどの開発費用はソフトに比べて格段に安く、その大半が利益となる。これは、既存の「パッケージソフトだけで収益を上げる」ビジネスモデルとは一線を画しており、ソフトの販売数に依存されることなく、十分に収益をあげることが出来る良い例だと言える。

上記の成功を元に、世界中で同様のモデルが進められる可能性が高く、今後の家庭用ゲームの展開にも多少なりとも影響を与えていくだろう。

大容量を必要とするソフト本体はパッケージで販売し、追加コンテンツはダウンロード販売する、という形式の家庭用ゲームが今後増加していくのではないだろうか。

様々な分野で取り扱いが始まっているダウンロード販売。今回紹介した内容はまだまだほんの一部だが、少しはご理解頂けただろうか?
デジタルデータゆえに、違法コピーや著作権などの問題は無視できず、まだまだ課題点も多いが、新しい可能性を秘めているダウンロード販売に期待したい。

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2007.10.11 東京朝刊 10頁 経済面 (全361字)
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