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バーチャルと思えない歌声
バーチャルアイドル?ボーカロイド?今話題の初音ミクって何?
2008年1月17日 (text by 杉)

最近インターネット上で「初音ミク」という言葉、あるいは、動画投稿サイト等で彼女の歌声を耳にしたことはないだろうか?彼女はインターネット上で今、旬なアイドル歌手だという。

オリジナル曲から既存の曲のカバーまで幅広く歌い上げる初音ミク。どうやら彼女は「バーチャルアイドル」や「ボーカロイド」と呼ばれているらしいのだが、一体どういうものなのだろうか?

G-Searchの新聞・雑誌記事横断検索で今流行りの初音ミクについて調べてみた。

バーチャルアイドル?ボーカロイド?今話題の初音ミクって何?

まず最初に、初音ミク(彼女)は実在しない。
その正体は、クリプトン・フューチャー・メディアが開発した歌声合成ソフトウェアだ。
ユーザは歌詞とメロディーを入力すると、それに合わせて音声を合成し、ソフトウェアである初音ミクが流暢に歌い上げてくれる。
合成される音声は、母音と子音のつながりも滑らかで、実際の人間の歌唱とさほど変わらないような感覚さえ受ける。
これは、ヤマハの開発した音声合成エンジン「VOCALOID(ボーカロイド)2」を利用することで、自然な歌声を表現できたと言う。

筆者は音声合成といえば昔の電話自動受付のような、ツギハギした声のイメージしかなかったのだが、いざ聞いてみるとブレス(息継ぎ)まで表現している曲さえあるので驚いてしまった。

さて、ボーカロイドとは、「ボーカル・アンドロイド」からの造語で、録音された人間の音声を合成し、歌い方や声質を変化させながら歌うことが出来るボーカル音源、とのことだ。筆者は誤解していたが、初音ミク単体を指す言葉ではないそうだ。

初音ミク自身はソフトウェアに過ぎないが、彼女を通して表現できる内容は全てユーザの自由だ。ユーザは自由に企画・制作し、発表することができる。
さながら、ユーザは仮想空間(バーチャル)のアイドルを自分の好きなようにプロデュースできる感覚を味わえることができる。

この初音ミク、音声合成用のデータベースはアニメ声優の藤田咲さんが担当しており、声優独特のかわいらしい歌声が特長だ。ちなみに得意ジャンルは「アイドルポップス/ダンス系ポップス」とのこと。
パッケージに描かれたイメージはいわゆる今風のアニメ調の美少女キャラで、これは音楽制作に興味のない人たちも取り組もうと、イメージを前面に出したそうだ。

この初音ミク、昨年8月末の発売から2ヶ月弱で20,000本を売り上げているという。
現在(2008年1月)ではそれ以上の売り上げがあることは想像に難くない。
業界ではヒットしたソフトでも3,000〜4,000本という話だから、驚異的ともいえる数字だ。

さて、このヒットの影には動画投稿サイトを外すことができないだろう。

ご存知の方も多いと思うが、動画投稿サイトとは、動画を投稿し、コンテンツを皆で共有することが出来る。アメリカの「YouTube」が最も有名だろうか。

これらのサイトに初音ミクを利用した動画が多数投稿され、大きな話題となった。話題が爆発し、さらに大ブレイク。
動画に触発され、更に動画が作成されるという具合に、ユーザ同士が競い合って自分の初音ミクをプロデュースし、今では「初音ミク」という一大ジャンルを作り上げるにまで至っている。

豊富な二次創作・二次設定の存在

初音ミクの特徴として、二次創作(二次設定)の多様さが挙げられる。
クリプトン社の公式設定としては年齢や身長体重程度しかなく、イラストも数点しか存在しない。
また、DTMという性質上、初音ミクが表現する内容はユーザによって多種多様であり、ユーザごとに違った初音ミク像が存在するとも言える。
あえて設定を固めないことで、受け手に自由な表現、創作を促しているといっていいだろう。

インターネットという、双方向の媒体では、表現を受け取るだけではなく、自ら発信することができる。
更に、初音ミクという存在は前述のとおり、設定はほぼ自由自在で、自分の思うとおりに表現できる。
この自分で作り出すことができるという特色が、楽曲の作成や設定の考案、動画の作成等の表現と、その原動力に繋がっていると思われる。

初音ミクも楽曲・動画だけに留まらず、歌唱CD、イラスト、同人誌、スタンプ、ポスター更にはフィギュアまで、ファンによって次々作成されているという状況だ。
更にはオリジナル楽曲がカラオケに配信されるなど、まだまだ人気は留まるところを知らない。

現在は「作ったら自分で楽しんで終わり、あるいは友人・家族に見せて終わり」という時代ではない。
前述の動画投稿サイトを通すことで不特定多数の人々に自らの作品を"発表"できる。
忌憚のない感想と評価は、コンテンツを作る喜びと楽しさ、そして難しさを味合わせてくれるのではないだろうか。
ユーザが、製作者と受け手としてお互いに影響を与える。この作用もまた作品発表の原動力になっていると思われる。

兄、姉、弟、妹・・・次は父、母登場か!?

2007年12月末、キャラクターボーカルシリーズ第二弾として「鏡音リン・レン」が発売された。
女性ボーカル、男性ボーカルの二種類があるが、どちらも同じ声優(下田麻美さん)の音声データベースを利用しているのが特徴だ。
一人二役とは思えないほど幅広い歌唱に対応することが可能だという。
こちらも初音ミク同様、現在続々と作品が投稿・発表されている。

ちなみに、二次設定では初音ミクの次に発表されたとあって、彼女の妹・弟として捉えられることが多いようだ(実際の血縁関係はないと開発側は語っているとのこと。参考までに)。

更に、筆者は最近知ったのだが、クリプトン社からは過去にも「VOCALOIDエンジン」を利用したソフト音源が発売されている。
その中でも「MEIKO」(2004年11月発売)、「KAITO」(2006年2月発売)は、VOCALOID2の前身であること、アニメ調のイラストによるキャライメージが存在することから、初音ミクの「兄」「姉」という設定が付けられているそうだ。

兄、姉、弟、妹・・・一通り(?)出揃ったわけだが、2008年には第三弾のキャラクター・ボーカルシリーズがリリース予定だという。

これまで若々しい声が続いたことを考えると、次は渋い声の「父」登場か!?

マスコットアイテムはネギ?

初音ミクを象徴するマスコットアイテムとして、「ネギ」がある。薬味で使われる長ネギのことだ。
もちろん、公式設定ではそのようなことは一言も書かれていない。これも二次設定のうちの一つだ。

どうやら、SDディフォルメされた初音ミク(はちゅねミク、というらしい)がある動画内で歌いながらネギを振っていたことが発端であり、そこから初音ミク=ネギという図式が出来上がったようだ。
さらに、ネギの緑色と、初音ミク全体のカラー(緑色、というより青緑色)がマッチしていたのもプラス効果があったかもしれない。

このマスコットアイテムから派生して、他のボーカロイドにもマスコットアイテムが存在するのが"一般的"な設定となっている。
それらは「お酒」や「アイスクリーム」だったりする。

現在では、「鏡音リン・レン」のマスコットアイテムを何にするかでインターネット上では様々な設定が飛び交っている状況だ。
姉弟のカラーである「黄色」をモチーフとしている点はどの設定でも共通なのだが、現在最も有力なのは「ロードローラー」だとか(もちろん、道路工事で使われるアレのことだ)。。。・・・一体どうして!?

最後になってしまったが、この初音ミク、実売価格は一万五千円前後。
作れるのは歌声のみで、伴奏も入れた楽曲を作るには別途ソフトが必要だ。
決して安い買い物ではないが、自分の手でアイドルをプロデュースしてみたいという方は、いかがだろうか。

関連情報サイト
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2007.11.14 北海道夕刊 7頁 社会面 写図有 (全1,006字) ※本文50円
2007.09.21 東京朝刊 20頁 家庭面 (全583字) ※本文50円
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