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5年ぶりの復活!
THE LEGEND IS REAL. 復活! GT-R
2008年1月10日 (text by 幽)

2007年12月6日、日産の「GT-R」が5年ぶりに復活した。
建設中の高速道路上でのデビューイベントや、超豪華福袋の景品になるといった話題性もさることながら、車の性能からその保守体制に至るまで、今までの車とは一味違っている。今回は、新聞・雑誌記事横断検索で、その「GT-R」の凄さに迫ってみた。

GT-Rとは

GT-Rは、1969年に「スカイライン」の一グレードとして誕生した。
爆発的な人気となったのが、1989年に発売されたR32型のGT-Rである。

このR32型GT-Rは、先進的な四輪駆動システム(ATTESA)の採用や、ツインターボのRB26DETTエンジンを搭載するなど、先進的な技術を取り入れ、排気量2600cc、最高出力280ps、最大トルク36.0 の性能を備えた。レースシーンでは圧倒的な強さを誇った。

このGT-Rの登場に世間は熱狂した。時はバブルの真っ直中だったこともあり、販売台数は4万台を超えた。この数字は歴代のGT-Rの中で最も多い販売台数である(ちなみに1993年発売のR33型は1万6000台、1998年発売のR34型は1万1000台だった)。

多くのファンに愛されたGT-Rだったが、2002年8月、排出ガス規制非適合を理由に生産が中止となった。

GT-R "復活"とその中身

2003年の東京モーターショーで、日産のカルロス・ゴーン社長はGT-Rの復活を宣言した。
その後は機密主義と箝口令のため、多くのファンは新型の情報を入手できずにいたが、2007年秋、東京モーターショーで秘密のベールが脱がされた。そして12月6日、「NISSAN GT-R」として5年ぶりに販売が開始された。「スカイライン」という冠は外されたが、待ちに待ったGT-Rの復活だ。

まず、注目の走行性能を見てみよう。

今回のGT-Rは、排気量3800cc、最高出力480ps、最大トルクは60.0kgmという圧倒的なパワーを持っている。国内の最高峰スポーツカーとして知られるランサーエボリューション](排気量2000cc、最高出力280ps、最大トルク43.0kgm)やインプレッサWRX STI(排気量2000cc、最高出力308ps、最大トルク43.0kgm)と比較しても、その凄さは際だつ。

日本国内ではつい先日まで、公道上での最高出力は280psという自主規制の壁があったことを考えると、この値は脅威だ。だが驚くべきはスペックだけではない。GT-Rならではの特徴にも注目だ。

まずスピードメーターは、340kmスケールとなっている。公道上では180kmのリミッターがかけられるので、GT-Rがサーキットでの使用を意識して作られていることが分かる。そのリミッターは、JAF公認のサーキット内に限り、解除が可能となる。車体に内蔵しているGPS機能で所在位置を確認し、カーナビの操作感覚で解除できるのだから驚きだ。

さらに、前モデルに比べて多機能になっているマルチファンクションディスプレイにも注目だ。

ディスプレイには、水温、油圧、油温、ブースト圧などの情報がグラフィカルに表示される。また燃費や走行データがコンピュータに記録され、それらは省燃費運転をサポートするフューエルエコノミーメーターや、燃料残量と航続可能距離を表示するドライバーズノートとして、ディスプレイ上で確認できる。

その他、ステアリング、アクセル、ブレーキ各操作とそれに応じた車両の動きの確認も、ディスプレイ上で行える。
車体管理のための機能も充実していて、まさにハイテク技術の集大成といっても過言ではない。

ちなみにディスプレイのデザインは、ゲーム「グランツーリスモ」でおなじみの、ポリフォニーデジタルが行っている。見慣れた画面と感じる人も、少なくないように思える。

高速での走行が可能なため走行音がうるさいかと思いきや、300キロで走行しても同乗者との会話が可能なくらい静粛性に優れているというから驚きだ。

GT-Rの価格は約800万円。一般車としては高価だが、日産がライバル視しているポルシェ911が2000万円近くするのを考えると、かなりオトクなのかもしれない。
購入を検討されている方は、家計を握る大蔵大臣に対し、このあたりを武器に説得を試みると案外うまくいくかもしれない。ちなみに私は失敗(秒殺)している。

"制限"も

高い性能を誇るGT-Rだが、保守に関しては、GT-Rならではの"制限"もある。

まず、メンテナンスや車検は、全国160カ所の「日産ハイパフォーマンスセンター」で行わなければならない。

また車体が損傷した場合の修理も系列内のショップで行う必要がある。販売・メンテナンス・修理すべてが日産系列で完結される方針だ。車体には改造防止のための車両状態記憶装置が搭載され、指定外の製品を使用した場合は、メンテナンス保証が受けられなくなるという。

また維持費も高くなりそうだ。

手元にある「モーターファン別冊『日産GT-Rのすべて』」によると、車両点検費用はフーガの約2.4倍、車検は約2.1倍になる。
オイル交換については、オイルやフィルターは専用品の使用が義務づけられていて、約4万円の費用が発生する。
ブレーキパッドの交換も、ブレーキディスクと同時に交換する必要があり、費用は約50万円。
スタッドレスタイヤも20インチの専用のものを使う必要があり、ホイールを含めて1台で100万円を超える。性能だけでなく、維持費についても、他の車を凌駕している。
パフォーマンス維持のためには仕方がないと思うが、賛否両論あるところだ。

込められた思い

GT-Rは、日産がもつ匠の技術を結集した結果、「走りのフラッグシップ」の名に恥じない車として、新たに生まれ変わった。

現在、若者の車離れが加速している。その背景には、不景気や、嗜好の変化などの他に、車自体の魅力が薄れてきていることもあるように思える。

シルビア、インテグラ、スープラ、RX-7など、かつて多くの若者を虜にしてきたスポーツカーも、今となっては相次いで生産中止となってしまった。

車のどこに魅力を感じるかは人それぞれかもしれない。しかし、経済性や環境に優しいだけではつまらない。走りの性能やデザインについても優れていなければ、と筆者は考える。

GT-Rは800万円近い価格であるにも関わらず、発売前の予約の段階で2500台を突破した。
GT-Rには、「もう一度、多くの人に車の魅力を伝えたい」−という、作り手たちの思いが込められているような気がする。

関連情報サイト
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