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昔は電子スチルカメラと呼ばれていました
元祖デジカメって?デジタルカメラヒストリーを追う
2007年11月20日 (text by す)

日本カメラ博物館(東京都千代田区)で特別展「デジタルカメラヒストリー」が開催されている。デジタルカメラの歴史を紹介した日本初の展示会だそうだ。

特別展「デジタルカメラヒストリー」のプレスリリースによると、デジタルカメラのルーツは1981年(昭和56年)にソニーが発表した電子スチルビデオカメラ「マビカ」。調べてみると、映像のデジタル処理についてはビデオカメラが先行し、静止画を扱うデジタルカメラとしては、このマビカが先祖となるそうだ。マビカは画像を磁気ディスクにアナログ記録していたということで、現在のデジタルカメラのように画像をデジタル記録する製品は1988年(昭和63年)に当時の富士写真フイルム(現在の富士フイルム)が発表した「FUJIX DS-1P」が世界初。2MB のSRMA IC メモリカードにフィールドで10枚、フレームで5枚記録できた。


G-Search の「新聞・雑誌記事データベース」で過去の新聞記事を検索するとデジタルカメラの歴史が分かって面白い。G-Search のデータベースを駆使して「デジタルカメラヒストリー」を振り返ってみようと思う。

電子スチルカメラ時代

デジタルカメラは 1980年代では電子スチルカメラと呼ばれるのが一般的であった。電子スチルカメラは「フィルムを使わない次世代カメラ」と定義されることが多かったようだ。「電子スチルカメラ」で検索できる最古の記事は「小西六写真工業、米シリコンバレー地区に進出(情報ファイル):1985年3月28日付 朝日新聞東京朝刊 」である。小西六写真工業とはコニカ(1987年にコニカ株式会社に商号変更、2003年にコニカミノルタに)のことで、「米国のシリコンバレー地区に電子スチルカメラなどの先端技術研究会社コニカテクノロジーを設立する」という内容だった。

翌年の1986年末には「電子スチルカメラ、消費者向け小型化 カシオが発売へ:1986年12月20日付 朝日新聞東京朝刊」という記事があり、翌年6月には約10万円の価格帯で消費者向けに販売、現像や焼き付けの手間がいらないのが特徴としている。同時期には、ソニーがプロマビカ(MVC-A7AF)を発表、富士写真フイルムはスチルビデオカメラ ES-1 に専用のプリントサービスを展開、ミノルタは一眼レフに接続するスチルビデオバックを発売するなど、競争が激化している。

記事には「電子スチルカメラ懇談会の世界統一規格によるビデオフロッピーを採用」などとあり、電子スチルカメラのメディアとしてはフロッピーだったことが伺える。

デジタルカメラへ

「デジタルカメラ」というキーワードによる最古の記事は 1987年11月12日付の「日本電算機、デジタルカメラシステムを発売。高解像度でフルカラー:日刊工業新聞」で業務用デジタルカメラシステムだ。富士フイルムは DS-1P 以降、意欲的にデジタルカメラの新モデルを投入している。

1994年にはアップルがコダックと開発した QuickTake 100 (1MB フラッシュメモリ内蔵、35万画素)を11万円台で発売、そして翌年デジカメブームひ火をつけたカシオ QV-10 (2MB フラッシュメモリ内蔵、25万画素)が登場する。1.8型のカラー液晶モニターを搭載することで撮影した画像をその場で確認できた。価格も 65,000円と低価格で当初月産台数が3,000台だった QV-10 は1年で25万台を発売する大ヒット商品となった。

デジカメの競争激化〜普及

その後、国内外のカメラ・家電メーカーは次々にデジタルカメラを市場投入する。メモリ容量の増大、画素数・画質の向上、ズーム機能や動画撮影機能などの付加価値機能の提供など、競争は激化した。特にメモリについては採用規格について、デファクトスタンダードの覇権争いにつながった。

デジタルカメラヒット数の推移

※グラフ:キーワード「デジタルカメラ」のヒット件数(出典:G-Search)

上のグラフをみて欲しい。これは日刊工業新聞記事データベースで「デジタルカメラ」というキーワードでヒットした記事件数をグラフ化したものだ。1993年にはわずか6件だったものが、QV-10 が発売された1995年以降急激に増加し、ピークの2004年には 555件、平均で1日あたり1.5件、デジタルカメラの記事が掲載されていたことになる。

デジカメ市場の現況

コンパクトデジタルカメラは機能向上により新製品は顧客に新しい価値を提供してきた。しかし、2005年にはフィルムカメラと印刷画質の遜色がなくなり、市場は成熟していく。グラフのピークである2005年、京セラが市場から撤退したのを皮切りにメーカーは選択と集中を加速させる。カメラの老舗メーカーであり、デジタルカメラに初期から注力していたコニカミノルタは、カメラ事業から撤退、デジタルカメラ事業はソニーに売却された。

現在、コンパクトカメラの世帯普及率は6割を越える(日経情報ストラテジー:2007年12月1日「総力特集 激動時代の競争戦略 必ず勝つ戦略はある〜ニコンが一眼で首位奪う勢いAV大手の競争ルール壊しに先手」)。市場競争は既に一眼レフデジタルカメラや携帯電話搭載カメラなどの高付加価値品に移っている。

マーケティングレポートを専門に検索できる「リサーチレポートライブラリー」を検索すると、デジタルカメラの市場規模は2006年以降、横ばいである(市場予測2010「デジタルカメラ」)。コンパクトタイプでは松下、キヤノン、ソニー、カシオがシェア上位、一眼レフタイプではニコンとキヤノンで4割の市場を占有している。

駆け足だが、デジタルカメラ20年の歴史をデータベースで振り返ってみた。なお、冒頭で紹介した特別展「デジタルカメラヒストリー」は来年の2月17日まで実施されている。足を運んでみてはいかがだろう。

関連情報サイト
  • 日本カメラ博物館 - ライブラリーや講演、常設/特別展示など
  • マビカ - SONYが昭和63年に発売した電子スチルビデオカメラの元祖
関連記事情報(for G-Searchデータベース)
1989.08.19 東京朝刊 8頁 経済 写図有 (全473字) ※本文50円
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