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わらしべ長者を目指してみる?
物々交換にもWeb 2.0!?インターネットで広がる物々交換の可能性
2007年11月9日 (text by や)

昨年カナダの青年が1つの赤いクリップを物々交換し続けて、最後には2階建ての1軒家を手に入れるという、現在のわらしべ長者とも言える出来事があった。

この快挙(?)を契機にすでに海外で広まっている物々交換サイトが日本でも見られるようになった。今年7月にはアンノウン社の「ビブリー」という本やゲーム、DVDの物々交換サイトが登場し人気を集めている。今回はこれら物々交換のサービスについてG-Searchの新聞・雑誌記事横断検索を使い調べてみた。

赤いクリップと家を交換

交換サイトの火付け役となった”わらしべ長者”はカナダの当時26歳の青年だ。1年後に家を手に入れようというもくろみをもって、ネット上の物々交換サイトで赤いクリップを出展。クリップはまずペンと交換、その後は14回の物々交換を経て目標の家を手に入れたのだ。

その交換履歴は次となる。

赤いクリップ → ペン → ドアノブ → バーベキュー用のコンロ → 小型発電機 → バドワイザーのネオン広告 → スノーモービル → 旅行券 → トラック → レコーディング契約 → アパートの賃貸契約 → 有名ロッカーのライブ登場権 → ロックバンド「KISS」の置物 → 映画出演権 → 家

もちろん普通に物々交換サイトに登録するだけではこんな快挙は成し得ず、この青年はサイトを通じて交換のレポートや写真、動画などを掲載。注目されるにつれ、最終目的である家の交換に向けて後押しするネットの潮流があったようだ(家の交換もその自治体のプロモーション的意味合いがあった)。

とはいえ、これを契機に国内の物々交換サイトも急増することとなる。
大規模なものから小規模なものまであるが例えば次のようなサイトがある。

本の物々交換サイト「ビブリー」

国内では、ネットサービス開発のアンノウンが07年7月に開始した本の物々交換サイト「ビブリー」というサービスが非常にアクティブだ。

サービスは、利用者が持っている本やDVD、ゲームと、自分が欲しい本を登録すると、ビブリーのシステムが交換相手を探し出し、その後は個別に交渉して本を交換する事ができる。使うには会員登録、利用料ともに無料で郵送代がかかるだけだ。

登録をするとマイページの中に自分の本棚が出来上がり、そこに本やDVDの表紙画像がならぶ。一見して本屋の陳列のような見栄えのよさがあり、次々と自分の本を登録したくなる魅力がある。

実際、登録した本に対して交換対象としない設定も可能で、また本一つ一つにコメントをつける事も出来るできる為、交換を前提としないで「自分の本棚を他人に見て欲しい!」「趣味思考を共有したい」という人も楽しめそうだ。

マイページでは、こんな感じの本棚を持つことができる
※画像はビブリーのサービス紹介HPより転載

サービスに登録してみたところ、本棚に登録した本が欲しいという会員の連絡が早速ビブリーから来た。その人の本棚を見て面白そうな本を交換対象として選択すると、数日してその人から「是非交換しましょう」と、メッセージが届いた。

メッセージで送り先を伝え後は郵送するだけ。相手からも無事本が届き、簡単に交換が完了した。

セキュリティとコスト

サービスを使い最も気になったのは、相手側に住所と氏名を伝える必要がある点だ。こうしたサービスでは当然なのだが、誰とも判らない相手にこれを伝えるのには抵抗がある。

今回の交換相手は、交換回数と交換相手の評価(交換完了後に相手を評価できる)も高い事と、相手がブログを公開しておりその内容から誠実な人と判断して交換を決めた。

郵送はクロネコヤマトのメール便を使ってみた。これだと縦幅1センチ未満の荷物であれば80円、2センチ未満であれば160円で送ることができる。ちょっとした本だと1センチは超えてしまうので実質160円が交換のコストか。

また、今回は試していないが、クロネコヤマトのメール便には営業所止めで配達依頼するシステムがあり、相手にヤマトの営業所先を伝えそこに送付してもらう事で、住所を伝えずにやり取り出きると思われる。

もっともセキュリティ面の問題はクリアできるが、相手に営業所止めの説明と賛同を得る必要があるし、自分は届いた荷物を営業所へ取りに行く手間がある。

CD交換はアマゾン撤退でピンチ

ビブリーは本をメインとした交換サイトだが、それより早く開設され、若者らに広がりつつあった音楽CDの「物々交換サイト」が立ち往生している。アマゾンから受けていた交換サイト内で使う楽曲データやジャケット写真の提供が停止されたのだ。

交換を主目的とするビジネス形態がアマゾンの規約に抵触したとされるが、背景にはレコード業界の事情があるとみられる。

CD交換サイトを運営する「diglog」は、現在サービスを一時停止、アマゾン以外からのCDデータ入手を検討しているという。

まだまだ課題が多く見られる物々交換サイトだが、資源のムダ使い解消が叫ばれる現在、必要な物を必要な人に届けるこの発想は素晴しいと思う。個人的にはセキュリティ面がクリアされれば積極的に活用したいと思うサービスだ。

将来的には、物々交換のサービスを、顔の見えたグループやサークル、大学や集合マンションの管理組合などが自由に新設できる仕組みがあっても面白いのではないかと思う。是非今後も発展して欲しいものだ。

関連情報サイト
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2007.10.20 東京夕刊 9頁 社会面 写図有 (全1,006字) ※本文50円
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