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サマータイム論議が再活性
日本でもサマータイム導入なるか?
2007年7月19日 (text by す)

一時期話題になったサマータイム(夏時間)論争が今年は活発になっている。

6月に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007(骨太の方針)」において「サマータイムあるいはそれに準じた取組(勤務・営業時間の繰上げ)の早期実施について検討する」との表現で、サマータイムの実施検討が盛り込まれたことが発端だ。

下図:G-Search 新聞・雑誌記事横断検索による「サマータイム」のヒット件数推移

「サマータイム」ヒット件数推移

サマータイムとは?

日本国内でのサマータイムは主に「夏に1時間分、時刻を早める」ことを指す。
サマータイムのメリットとしては、余暇時間の拡大、それに伴う経済効果などがあるが、政府の「骨太の方針」でおいては「省エネによる地球温暖化防止策」としての意味合いが強い。 政府は「21世紀環境立国戦略」により、地球温暖化問題で世界的なリーダーシップを発揮することを目標としており、具体的施策のひとつとしてサマータイムの効果を期待している。

そもそも、サマータイムは世界の70カ国以上で実施されており、主に緯度が高い地域でサマータイムを採用している国が多い。先進国を中心としたOECD(経済協力開発機構)加盟国30カ国では日本、韓国、アイスランドを除くすべての国で実施されていることが知られている。ちなみにアイスランドは白夜によりサマータイムの効果がないそうだ。

今年から、米国とカナダの夏時間(DST : Daylight Saving Time)はサマータイムの実施時期を変更、従来より3週間早い3月第2日曜日に始まり、1週間遅い11月の第1日曜日に終了するようになった。同じ太平洋標準時を採用するメキシコは対象外と、サマータイムの習慣がない日本人からすると、なかなか複雑に感じる。

日本にもあったサマータイム

G-Search 新聞・雑誌記事横断検索で「サマータイム」を調べてみた。日本でも昭和23年(1948年)から27年までサマータイム制度が実施されていた。昭和23年4月28日、GHQの占領下の日本で夏時刻法(当時は「サンマータイム」と発音していたそうだ)が公布され、4年間にわたり日本全国で実施されていた。

『急な導入によって生活のリズムが乱れたり、通勤・通学時間帯に交通機関が混雑したりと、さまざまな不都合が生じた。世論調査でも53%が廃止を支持するなど、国民の不満が強くて定着しなかった。』(信濃毎日新聞朝刊 2006年6月23日)の通り27年に廃止される。

当時のサマータイムの評価は国民の53%が反対の一方で、賛成が30%であった。占領下で主に本国との連携をとるために急遽導入された制度にしては、この30%が賛成という数字はなかなかのものではなかったのだろうか。

北海道のサマータイム

現在、北海道では札幌商工会議所が中心にとなって「北海道サマータイム」が実施されている。北海道では夏季における日中時間が東京や大阪などに比べ約1時間長い。この地理的事情に即したビジネス活動を行うべく、2004年から実施されている。

今年の期間は7月2日(月)から8月10日(金)の40日間で、業務開始時間を通常より1時間早めるように呼びかけている。7月26日(木)から8月10日(金)の期間は「ファミリー・コミュニケーションタイム」として、さらに30分早めて午前7時30分から業務開始するとしている。

この「北海道サマータイム」は勤務時間自体を変更するということで、時刻そのものを1時間(ないし2時間)シフトさせるサマータイムとは少々おもむきが異なる。また、終業時間は「従来通り」としたことから今年の参加団体は減少している模様だ。

導入にはまだまだ壁が

サマータイムは時刻そのものを調整する。日本国内に導入された場合は全国一律の時間帯が導入されると思われるが、米国やオーストラリアなど自国内に複数のタイムゾーンを持っている国は、1国で複数の夏時間に対応している。サマータイムの導入には時間をベースに行なわれるすべての活動を見直す必要がある。サマータイムの習慣がない日本に導入する際には人的活動に加え、社会インフラの見直し、特にシステム関連の対応は膨大になると見られている。

また、サマータイムのメリットとされる「経済効果」や「省エネ効果」についても懐疑的と見る論調もある。また、労働環境の悪化懸念(残業が長くなるだけではないか)、そして時間を余暇に振り向ける文化の定着と障壁は多い。

広がる試験導入、サマータイムの検証段階へ

日本経済団体連合会では職員を対象に8月の勤務時間帯を1時間繰り上げる。『この制度に賛成かどうかを尋ねてみた結果、「賛成」「反対」「わからない」がほぼ均等に分かれた』(週刊ダイヤモンド 2007年7月14日)。しかし、経団連としてはサマータイムの導入に前向きである。

民間企業では、みずほフィナンシャルグループは本年8月にサマータイムを試験導入、「現行より40分早め、午前8時〜午後4時30分とする案が有力」(各紙)とされている。

日本同様、サマータイムを導入していない韓国でも『全国経済人連合会(全経連)は11日に開いた「サマータイム導入対策シンポジウム」で、景気活性化とエネルギー節減を目的にサマータイム制度の再導入を提言した。同制度をめぐっては、全経連と日本経済団体連合会(日本経団連)が共同で両国政府に導入を働きかけるなど日韓が足並みをそろえており、今後の動向に注目が集まる。』(NNAアジア経済情報 2007年6月13日)と報じられている。韓国もソウル五輪当時の1987年にサマータイムを導入、89年に廃止された経緯がある。

政府主導で有識者による研究会、特区の設置などサマータイムの検証が本格化すると思われるが、本来、サマータイムとは「自然環境にあわせた活動」を具現化した制度であり、余暇時間の増加など、日本人に「時間の使い方」を問いかけるテーマである。少々ややこしい感じはするが、もう一回、本気で検討してみるのもいいかもしれない。

関連情報サイト
関連記事情報(for G-Searchデータベース)
2007.06.30 毎日新聞 東京朝刊 (全562字)
2007.06.29 毎日新聞 地方版/北海道 27頁 (全531字)
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