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最近見かける雑誌付録って?
よりマニア向けに、雑誌の付録に変化あり?
2007年2月23日 (text by や)

雑誌の付録

数年前より、書店を歩くと豪華な付録がついた雑誌を見かけるようになった。女性向け雑誌には、ポーチや化粧品など、男性向け雑誌では、アニメやゲームキャラクターのフィギアがついた物などをよく見かける。

昔は雑誌の付録といえば、子供向け雑誌に紙おもちゃのセットが付く程度だったと思うが、こうした豪華付録が増えたのはいつからだろうか?

規制緩和により雑誌付録が豪華に

G-Searchが提供する「新聞・雑誌記事横断検索」で新聞記事のバックナンバーを調べると、豪華付録誕生に関する記事が見つかった。

雑誌の付録には従来、日本雑誌協会の「雑誌作成上の留意事項」で素材や大きさなどに厳しい基準があった。規制は主に輸送に支障をきたすことを理由に、付録の材質や大きさなどを細かく定めていた。

例えば、ソフト紹介が欠かせないパソコン雑誌には、見本ソフトを付録する事が今は常識だが、以前は、3.5インチのフロッピーディスクは一部に金属を使用する為、CD-ROMは厚さが1ミリ以上のため付録とは認められなかった。

対策としてパソコン関係の出版社は雑誌と書籍の中間の「ムック」としてソフト付き月刊誌を発行していた。

しかし、雑誌業界は97年をピークに総販売額が減り続け、01年に市場活性化を目指して付録を規制していた基準を大幅に緩和する事となったのだ。

これにより、流通を担う取次会社に事前に必ず連絡すること、環境に配慮することなどを条件に、紙以外の材料を付録に使えるようになり、厚さも3センチまで許された。

これ以降、ファッション誌などを中心にバンダナやカンバッジ、ペンケース、トートバッグ、ストッキングなど多彩な付録が次々に発売され、規制緩和後の2002年には、各雑誌で豪華付録を競うようなブームにもなったのだ。

雑誌付録の変化

だが2003年になるとブームは沈静化する。講談社では、付録規制緩和を契機に「スタイル」という女性向け雑誌に、折り畳み傘を付けて話題になった。しかし結果は「期待したほどの成果はなかった」という。
また、他誌では、バッグ、ストッキングなどを一時頻繁に付けた揚げ句、休刊してしまった例もある。

講談社の雑誌販売局長は記事の中で「付録をきっかけに買った人が、その雑誌の記事を面白いと感じて次の号も買ってくれる、という展開が理想的。でも、部数の底上げにはなかなかつながらなかった」と、打ち明けている。

読者は付録にも質を求め、成功には雑誌か付録かどちらかにしっかりとした魅力が求められるようになったのだ。

そうした中「モノ・マガジン」が雑誌付録で成功を収めた。アポロ11号の月面着陸フィギアを付録にしたところ、大きく部数が伸びたのだ。

実はこのフィギア、岡田斗司夫さんが総監督し、海洋堂が造形企画制作、タカラが発売した食玩フィギュア「王立科学博物館」シリーズの番外編なのだ。コンプリートを目指すには、この号を買わざるを得ない作りだ。

コンプリートの為という餌もあるが、フィギュア付録がウケ理由には、付録のターゲットを絞り、この分野で定評のある岡田さんと海洋堂が制作を手がけた事が大きい。作りにこだわりを見せた事が成功に繋がったといえるだろう。

そして、こうしたユーザニーズを絞った雑誌販促の流れは、雑誌の趣味性を前面に押し出す傾向となり、現在にも受け継がれているようだ。

例えば雑誌の発刊に関しても、新たに30万部発行といった大きな雑誌は狙い難く、30万部を売るには、10誌を3万部づつ売らなくてはいけない程、雑誌内容の細分化は進んでいるという。
愛犬家向けの雑誌を発行すると仮定すると、内容は愛犬雑誌ではダメで、更に踏み込んだ例えば「柴犬」の雑誌を作らなくてはいけないのだ。

雑誌付録の花形とも言える女性向け雑誌に関しても同様で、現在発行される雑誌でもバックなど雑誌付録全盛期と同じような付録が目に付くが、良く見ると、これらは単にバックが付録で付いてくるだけではなく、雑誌読者の趣味趣向に特化したデザイナーやブランドが、その雑誌付録の為にオリジナルアイテムを制作しているなど、雑誌毎の特長を出している事がわかる。

コミックや小説にも付録の波が

ところでこうした付録は、雑誌に限らず小説やコミックにも波及しているようだ。

コミックスの初回特典グッズなどが代表的な例だが、記事中の関係者コメントによると、「コミックスのシリーズで売り上げの落ちる4、5巻目にフィギュアを入れれば売れ行きが回復する。利益はあまり出ず、どこも火の車ながら、競争が激しいためやめられない」という苦しい状況からの施策のようだ。

小説に関しても、京極夏彦の「オフィシャルブック百鬼夜行」に赤鬼青鬼フィギュアとお札が、福井晴敏の「終戦のローレライ」では潜水艦フィギュアを付録にするなど、付録の波がじわじわとやってきているようだ。

関連情報サイト
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