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原油価格の上昇が止まらない
ガソリンの価格はいつ下がる?
2006年8月18日 (text by す)

ガソリンの価格はいつ下がる?

ガソリンが高い、高すぎる。お盆に車で帰省した人は、あらためてガソリン価格のかつてない高騰ぶりに驚いたのではないだろうか。

「高速道路のガソリンスタンドは安いらしい」「精油所が近い湾岸地域は安いに違いない」「○○はガソリンの卸もやっているから安い」「あまりに安いガソリンはサラダ油でもまじってるんじゃないか」と、いろんな風説があるが、そんなに違いがあるのだろうか。

どのくらい高くなった?

ガソリンの価格はどのくらい高くなったのか。財団法人日本エネルギー経済研究所の石油情報センターの調査によると、約1年前(2005年7月)ハイオクは全国平均で136円、レギュラーは125円であった。今年の7月ではハイオクが148円、レギュラーが137円に上昇。8月には湾岸戦争直前の高値を16年ぶりに突破、ハイオクが155円、レギュラーが145円という状態だ。レギュラーガソリン満タン(50・)が6,250円だったのが、帰省シーズでは7,250円になってしまった!

2005年7月 2006年7月 2006年 8/14
全国平均 H:136円 / R:125円 H:148円 / R:137円 H:155円 / R:145円
高い都道府県 長崎県
(H:145円 / R:134円)
長崎県
(H:156円 / R:145円)
-
安い都道府県 滋賀県
(H:129円 / R:118円)
茨城/群馬/沖縄
(H:144円 / R:133円)
-

出典数値は 石油情報センターより。

ちなみにガソリンの価格は地域により「格差」がある。ガソリンの価格が一番価格が高いのは長崎県。昨年の年度平均では鹿児島県であり、九州沖縄地区は全国平均より高い傾向があるようだ。関東、近畿はほぼ平均。茨城・群馬・滋賀は安い傾向。滋賀県のように物流の拠点など、ガソリンスタンドの競争が激しい地域はやはりガソリンが安い。だからといって、安い地区まで給油に出かけるというのも不経済だ。

原油高で消防車が出動できない?

G-Searchの新聞・雑誌記事を横断検索してみたところ、この原油高は予想もしないところにも影響を与えていることがわかった。中国新聞の8月15日には「原油高で燃料費ピンチ 消防予算やりくり 焼け石に水 広島市 年内にも使い切り」という記事が掲載された。広島市の消防局では原油高により緊急車両の燃料費予算を12月には使い切ってしまう状態になっている。もちろん、消防車が「予算がないので」と出動できなくないように補正予算の対処がとられるのだが、計画より3ヶ月も早く燃料費が底をついたことになる。

フェリーなどの輸送機関も値上げを余儀なくされている。毎日新聞8月10日の記事「ニュースプリズム:原油高騰 ガソリン140円台に フェリーも2度の値上げ /茨城」では、

大洗―北海道苫小牧でカーフェリーを運行する商船三井フェリーは昨年10月と今年4月に運賃を値上げ。車両1台分で計2,000円、2等客室で計1,000円、片道料金が割高になった。ここ数年は燃料コストが年間10億円単位で膨らんでおり、今月3度目の値上げを検討したが「これ以上客に負担はかけられない」と見送った。コスト増加分の6、7割は会社がかぶっているという。

と伝えている。また、入浴料金を県が一律に定めている銭湯、燃料費を水揚げ品に転嫁できないイカ漁のケース、サトウキビから作るエタノールの需要拡大で砂糖の生産量が減り、つくだ煮業者や和菓子店が対応を迫られているなど、その影響は広がっている。

バイオマス燃料とは?

ガソリンなどの燃料費高騰により、ハイブリット車や代替燃料などが注目を浴びている。その中でも、テレビなどで紹介されて話題になっているのが「バイオマス燃料」だ。このバイオマス燃料、具体的にはどういうものなのだろう。

今年の6月にG-Search提供が開始された日刊自動車新聞に「ニュース知ったかぶり!?〉バイオマス燃料って何ですか?」という記事が掲載されている。記事によると、「バイオマス」とは「生物を意味するバイオ」と「まとまった量を意味するマス」を足して作られた造語だ。「エネルギーとして使える程度にまとまった生物起源の物質」を意味する。廃材、廃食油などの「廃棄物系」と、トウモロコシやサトウキビなどの「植物(栽培物)系」などに分けられる。

トウモロコシやサトウキビなどの農作物を発酵・蒸留して生成するバイオエタノールの採用が進んでいるブラジルでは、ガソリンに約20%のエタノール混合が義務付けされている。米国でも高濃度アルコール専用車や10%混合ガソリンが普及しており、全世界のエタノールの約7割は燃料に使われている。

日本では「バイオマス・ニッポン総合戦略」(名前がスゴい)に基づき、熱利用や発電の分野を中心にバイオマス燃料の採用が進められている。化石燃料の代替に加え地球温暖化対策としても注目されるバイオマス燃料だが主として燃料用途であり、車の燃料(ガソリンの代替燃料)ではない。なぜだろうか。

国内のバイオマス燃料が自動車燃料などに一般に普及していない理由は、バイオエタノールの生成コスト、安定供給に問題があるからだ。日本では農業大国に比べ、エタノール生成に必要なエネルギー作物の生産コストが高い。実際、ブラジルや米国のバイオマス燃料の推進理由としては、農産業の振興という意味合いが強い。日本ではエタノールを国際市場から調達する必要があり、安価な自動車燃料としての普及には課題が多い。

原油高に万薬なし

原油高問題に対し、短期・効果的な対策がないのが現状。産業の費用構造に大きな影響を与えている問題であり、環境面からも化石燃料の代替燃料の継続的な研究に期待がかかる。特に日本はエネルギー資源に恵まれてはおらず、次世代のエネルギー源をいかに確保するかは重要なテーマである。

とはいえ、個人のレベルではどうするのか。「省エネ運転の徹底」はもちろんだが、ガソリンの相場感を身につけて、安いスタンドを選んで給油しかないか。ガス欠にならないように気をつけて。

気になる2008年現在の状況は? 追跡コラムはこちら
ガソリンの価格はなぜ上がる?(2008/7/31)

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(text by す)

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2006.08.10 毎日新聞 地方版/茨城 21頁 写図有 (全917字)
2006.03.19 地方版/山口 23頁 写図有 (全1,511字)
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