
トリノ五輪フィギュアスケートの金メダリスト、荒川選手の得意技として知られる「イナバウアー」が、アサヒビールから商標登録出願された。商標の指定商品は「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」で、将来的に商品名として使う可能性があるかもしれないというの理由だ。
ただし、「イナバウアー」は旧西ドイツのフィギュアスケーターであるイナ・バウアー(Ina Bauer)が開発したことから、その選手名がそのまま技の名前になったもの。本人の同意がない場合には、登録は難しいかもしれないという見解もある。
人名での商標登録はどこまでできるのだろうか?
G-Searchの新聞記事・雑誌横断検索で調べてみた。
名前の商標登録は?
記事を検索してみると次のことがわかった。
商標登録とは、商品やサービスにつける文字、図形、記号、音声、色彩などを、他者に使用されないために特許庁に登録すること。登録することで、業務上の信用や利益が保護され、10年ごとの更新登録で半永久的にその文字などの商標権を持てる。
法人名や名前も登録可能だが、商品やサービスの一般名称や、商品やサービスの一般名称や「鈴木」といった多い名前などは認められない。類似する登録がある場合なども認められないことがある。いろいろと条件はあるが、名前の登録自体は可能らしい。
ダルビッシュ、イチローはOK
日本ハムのダルビッシュ有投手の名前は商標登録されている。
父ファルサさんから出願して、「ダルビッシュ」が人気爆発する前に防御措置をとったらしい。
通常、名前などの登録は難しく、プロ選手でも名前を出願、登録しているケースは少ない。登録されているのは、超大物の元巨人監督川上哲治氏、最近では巨人長嶋監督、デビルレイズ野茂、マリナーズ・イチロー、ヤンキース松井ぐらい。ダルビッシュ選手の場合は、ありふれていないその名前が功を奏したようだ。
樽”美酒(※樽に濁点)もOK
宮城県の酒造会社から、ダルビッシュ投手にちなんだ日本酒「樽”美酒(だるびっしゅ)」が販売されている。もともと「樽美酒(たるびしゅ)」という銘柄の日本酒の販売を考えていたところ、東北高で甲子園を沸かせていたダルビッシュ投手をみて、閃いたらしい。こちらは商標登録されている。駄洒落がなんとも微笑ましい。
ヒトラーや聖徳太子は商標NO
大阪のパチンコ機器メーカーから、新機種開発に先立ち、商品名の一部に著名人名を使う権利を得るため商標登録をしたことがある。
ヒトラー、聖徳太子、空海、武田信玄、西郷隆盛、紫式部、大石内蔵助、エジソン、モーゼ、始皇帝、孔子など、歴史上の知名度の高い人物から計35人分。かなり豪快な出願。
どういう基準だったかも興味深いところだが、これらは「平和憲法に抵触」「公序良俗に反する」などの理由から登録を拒絶されている。
イナバウアー、熱燗で・・
イナバウアーの出願は、語源になっているイナ・バウアーさんの許諾は得ていないという。どう判断されるかは、まだわからないが、もし登録が認められ、実際に商品化する際には、そのまま商品名に使うのではなく、なにかの工夫で、荒川選手やフィギュアスケートに関連を付けて欲しい。