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地方経済復活の手がかりに!
盛り上がる地域ブランドとは?
2006年4月28日 (text by す)

「ジー・サーチ」

地域経済の活性化を目的に導入される「地域団体商標制度」の出願受付が4月1日から開始された「地域団体商標制度」というと実態が分かりにくいが、地域名が組み合わされた商品名を商標として登録できるという制度で、「夕張メロン」「西陣織」など、地域名とセットになった商品名を商標とすることができるのである。

地域ブランド化とは?G-Searchの新聞記事・雑誌横断検索で調べてみた。

「喜多方ラーメン」が商標に

上記例の「夕張メロン」「西陣織」は全国的知名度を持つことから商標として認められていた。今回の制度では「全国的な知名度」がなくても「都道府県をまたがる知名度」程度で商標が取得できる。

出願された例では、「江戸甘味噌(東京)」「仙台牛(宮城)」「諏訪味噌(長野)」「喜多方ラーメン(福島)」「輪島塗(石川)」「静岡茶(静岡)」「賀茂なす(京都)」「東伯牛(鳥取)」「長崎カステラ(長崎)」など、バラエティに富んでいる。

出願初日の4月1日では258件の出願が行われ、都道府県で最も多かったのは京都府の109件。海外のコーヒー団体も1件出願したそうだ。G-Search新聞記事・雑誌横断検索では、地方紙が広く収録されているので、記事タイトルを読んでいるだけでも全国の郷土ブランドを見る事ができてなかなか楽しい。

登録の条件が大幅に緩和/地域経済を活性化させる地域ブランド

この「地域団体商標制度」は、「地域の名称+商品・役務(サービス)」の名称からなる商標について一定の範囲で周知となった場合には、事業協同組合等の団体が地域団体商標として登録することを認める制度。

地域名称には地名だけでなく、河川名や山岳名、海域名も採用可能。登録条件として、「地名と商品の密接な関連性」があり、「複数の都道府県に及ぶ周知性(知名度)を獲得ている」ことが必要としている。また、企業や個人では出願はできず、事業協同組合などの登録に限定されている。

これまでの制度では、地域名に由来を持つ商標について特定の事業者の利益となるような商標登録ができなかった。今回の改正は、地域発の商品やサービスを「ブランド化」することによって、地域経済の活性化を支援、産業競争力を強化することを目的としている。

例えば、「有田焼」について、商標登録が認められれば、他県、または海外で作っている「有田焼そっくりさん」、いわゆる模倣品や偽ブランド品を法的に排除できる。 海外からの安価な「ライバル」商品に悩まされていた地域産業の競争力を法的に支援することにより、地域経済の活性化を促進させるわけだ。

悩ましい「さぬきうどん」

一方で課題もある。広く知れ渡っている地域ブランド、いわゆる一般名詞になっている商品名は商標化することはできない。「札幌ラーメン」や「さぬきうどん」などだ。読売新聞4月12日の記事では「さぬきうどん」の例をあげている。さぬきうどんの場合、本社が香川県にあっても、県外の製麺工場で作っているケースがある。香川県では「県内に本社があるか県内の工場で作っている」という定義で出願する予定とのことだ。

また、近接する地域の事業者が同一ブランドを使っている場合も問題だ。静岡県の駿河湾でしか穫れないでは、「桜えび」が取り合いに。蒲原、由比、大井川の加工業者は「駿河湾桜えび」、由比町は「由比桜えび」で出願した。

「名古屋コーチン」では設立間もない新団体が、制度開始初日の4月1日に出願、流通量の8割以上を占める既存団体が反発するという事態も起きている。

地域力が試される地域ブランド化

地域ブランドが商標登録されても、商標を侵害しているとして模倣品や偽ブランド品の販売差し止め請求できるものは出願後のものが対象。課題も悩ましい地域ブランドであるが、ブランドとして認められることを商機と捉えて、地域経済活性化、販売を拡大して「全国的なブランド」に育てられるかは、地域、団体の熱意次第というところ。

草加せんべい、静岡緑茶、江戸前寿司...地域に由来を持つブランドって結構、身近にあるもの。松坂牛と松阪牛を分ける戦略の違いなど、地域ブランドをめぐるドラマを読むとなかなか感慨深い。ぜひ、G-Searchで検索してみて下さい。

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2006.04.04 東京夕刊 1頁 1面 (全1,321字)
2006.04.18 地方版/京都 25頁 (全565字)
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