sideBトップ バックナンバー 入会案内 G-Search
トップ > G-Search "side B" > 世界遺産に知床が登録へ
無事登録されましたね
世界遺産に知床が登録へ
2005年7月15日 (text by す)
社内遺産

南アフリカのダーバンで開催されている世界遺産委員会で、北海道の知床を世界遺産登録するかの審査が行われている。

2005年の世界遺産新規候補は50件ほど。事前審査機関の国際自然保護連合(IUCN)は世界自然遺産の新規候補7件のうち日本の知床を含む5件について「登録が適当」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告しており、世界遺産入りが有力視されているのだ。

審査結果は当初の見込みより1日遅れ、このコラムを書いている7月14日の夜にも発表される模様で、 G-Search 収録紙である「北海道新聞」では多くの紙面を割いて登録に至る道のりを報道している。

世界遺産とは

テレビや観光ガイドブックで目にする世界遺産。いわゆる「世界遺産」とは何なのだろうか。

世界遺産は1972年11月16日の第17回ユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」(通称「世界遺産条約」)が設置した世界遺産委員会によって選ばれた文化的、自然的遺産を指す。

この世界遺産条約は2005年3月現在、180カ国で締結されており、文化遺産および自然遺産を3つに分類している。

世界遺産は「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の3つに分類される。

文化遺産:すぐれた普遍的価値をもつ建築物や遺跡など(611件)
自然遺産:すぐれた価値をもつ地形や生物、景観などを有する地域(154件)
複合遺産:文化と自然両方の要素を兼ね備えているもの(23件)

世界遺産は毎年、ユネスコ世界遺産委員会によって選定される。 年によってばらつきがあるが、2000年には61件、2001年に31件、2002年9件、2003年24件、そして昨年の2004年は日本の「紀伊山地の霊場と参詣道(Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range)」を含む、34件が世界遺産に登録され、現在は全世界で788件が登録されている。

2004年に追加された世界遺産

遺産が登録されれば、その国には遺産保護の義務が生じる。日本の場合は文化財保護法や自然環境保全法、自然公園法などで保護されるが、知床の場合、IUCNは登録後に実施すべき施策として、ダム対策、海洋保全策の強化、登録2年以内の保全状況を評価するための調査団受け入れなど5項目を勧告している。

世界遺産に登録されれば巨額の観光収入、周辺地域の活性化が見込まれるが、同時に遺産の維持と保護に努める必要があり、観光と遺産保護のバランスを求められることになる。

日本の世界遺産

日本では文化遺産が10件、自然遺産の2件、全12件が世界遺産として登録されている。文化遺産は法隆寺、姫路城、京都の文化財、琉球王国遺跡群、そして原爆ドームなどが登録されている。

自然遺産としては白神山地、屋久島の2件。自然遺産として申請している北海道の知床が登録されれば13件目ということになる。

日本国内の世界遺産リスト

危機遺産リスト

世界遺産には「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」というものもある。文化遺産、自然遺産が重大かつ特別な危険にさらされているものを記載したリストで、その危険を以下のように定義している。

急速に進む損壊、大規模な公共事業若しくは民間事業又は急激な都市開発事業若しくは観光開発事業に起因する滅失の危険、土地の利用又は所有権の変更に起因する破壊、原因が不明である大規模な変化、理由のいかんを問わない放棄、武力紛争の発生及びそのおそれ、大規模な災害及び異変、大火、地震及び地滑り、噴火並びに水位の変化、洪水及び津波が含まれる。

危機遺産リストに登録され、保護措置などに改善が見られない場合は世界遺産の登録を抹消される可能性がある。

遺産の保全にはユネスコの支援が提供されるほか、世界遺産基金を保全財源として活用することができる。

現在のところ世界遺産登録を抹消された遺産は存在しないが、戦争や紛争などによる遺産の破壊は保全活動が困難である。また地域開発による遺産の危機は自国政策との調整、国際社会の援助と理解など「人類共有の遺産は人類で守る」という認識が求められるのである。

関連記事情報(for G-Searchデータベース)
2005.06.20 東京夕刊 2頁 総合 写図有 (全2634字)
2005.06.20 大阪夕刊 8頁 特集 写図有 (全2601字)
※関連記事を見るためにはG-Searchの会員登録が必要です。
※関連記事の本文表示は有料となります、ご注意ください。