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紙ならでは本気!
全て手作りの紙製ロボット「カミロボ」とは?
2005年4月8日 (text by や)

カミロボ

展示会開催やDVDに関連グッズの発売と、「カミロボ」と呼ばれる玩具が脚光を集めている。

カミロボとは、身長15cm〜20cmぐらいの紙で作られたロボットだ。肩、股、肘、膝、手首、足首に針金を用いた関節を備えており、人間に近い自在な動きをする事ができる。
製作者は造形師である安居智博さん。全部で200体近く存在するカミロボは、全て安居さんのオリジナルであり、20年以上の年月に渡って作られた世界に一つしかない手作りの品だ。

このカミロボについて、その魅力と現在にいたる歴史を「新聞・雑誌記事データベース」で調べてみた。

紙製ロボットが戦う!

カミロボは、その独創的なデザインや造詣を見るだけでも十分に楽しめるが、その真価はプロレスを模したリング上で繰り広げられる「カミロボ同士のバトル」にある。

そもそもカミロボは、安居さんの子供時代による「ロボット対ロボットのバトル」という「ひとり遊び」から生まれた存在だ。観賞目的の玩具に見えがちな外見だが、それとは裏腹にカミロボ同士のバトルが目的なのだ。

紙製でしかも手作りのロボットでは、バトルとは言っても高が知れてる。そう思われがちだが、安居さんの手によって行われるバトルは真剣で容赦がない。

腰を溜めたキックやパンチによるぶつかりあい
勢いをつけた体当たり
バシーン!と音がする程のボディースラム
複雑に極まる関節技

実際に相手のカミロボを痛めつける為に繰り出される技の数々は、これが紙なのか?!と思うほどにリアルでダイナミックだ。
それはカミロボの造詣の精巧さにもよるが、安居さんのバトルに対する真剣さ、カミロボ操作の巧みさにもある。

そんなリアルな戦いによりカミロボ達は次々と傷つき、その余りの勢いにバトルを演出する安居さんの手も傷つく事すらあるという。

傷ついたカミロボは安居さんの手によって再生され、多くの戦いを経たカミロボは、アンティークの風格すら漂う程という。また、針金で作られる関節は、実戦を重ねる毎に動きが滑らかとなり、技のキレがよくなるという、あくまで実戦を想定した作りだ。

脚光を浴びるまでの道筋

新聞記事検索の検索結果を読むと、安居さんによるカミロボ誕生までの経緯が紹介されている。

それによるとカミロボの誕生は、安居さんが小学校5年生の時。「マドロネックキング」という名前のカミロボが第1号だったという。以来、約20年間で200体以上のカミロボを制作。自室でカミロボ達を戦わせる「ひとり遊び」を続けてきたのだ。

カミロボという形は、当時流行っていたガンダムと、やはり流行っていたプロレスの影響を受けたようだ。

制作は、当初よりダンボール紙などを用いたが、プラモデルを利用しなかった事については、プラモデルでは表現できない人体に近いロボットの関節稼動を求め、紙によるロボット製作を選択したという。それが小学生時代の話だから驚かされる。

そのカミロボも小学校と共に卒業。しかし大学時代に見せた友人の反応から「これはありはないか?」と感触得、再び制作を開始したという。

しかし舞台は小学生時代と同じく「ひとり遊び」だった。それが、仕事上のきっかけで知り合ったアートディレクターの青木克憲氏を経由して、安居氏の机上から世間へとカミロボが飛び立つこととなったという。

新聞記事には、カミロボのプロモーション展開が紹介されており、それによると現在は、安居さんだけではなく、多くのデザイナーにより、DVDやグッズ、アパレルなど多数のジャンルで商品化の展開が進んでいるようだ。

こうしたカミロボへの注目は、年を経るごとに高まり、現在(2005年4月)、渋谷パルコで「カミロボ エキスポ2005」が開催されている。

安居さんの完成した世界観

カミロボの魅力を語る上で世界観は欠かせない。

カミロボにはプロレス団体の構想図にも似た世界観があるのだが、これは世界観というよりは、安居さんが「ひとり遊び」をする際に作られたカミロボ達の歴史でもある。

安居さんによって作られた200体以上のカミロボ達には、名前はもちろんそれぞれ個性が備わっているのだ。それぞれのカミロボは個性に基づき、抗争や友情を深める他、親子間の関係からそれぞれの因縁などまで、実に細かい設定がされている。

それらは安居さんがひとり遊びに中で作り出した、カミロボ達にとっては、まさに歴史である。

記事には、カミロボ販売を展開するバンダイ担当者による「数多くのロボットすべてに個性があるという設定。ロボットが複数のプロレス団体を作って争うという世界観は、ゲーム化、映像化にも向いている」というコメントが紹介されている

商品化する上で実に説得力があり買い手を納得させる世界観があるわけだが、カミロボが脚光を浴びる利用はそれだけではないだろう。

カミロボは安居さんのひとり遊び用として作られ、世間への公開は予定されていなかった。その為、カミロボには無防備な自分をさらけだす面もあり、安居さんに気恥ずかしさもあるようだ。

だが、こうした個人の中で熟成された世界観をまざまざと見せ付けられる事で、
それぞれが子供時代にもっていた世界観を呼び覚まし、
懐かしさと眼前にそれを見る新しさ、
さらには、他人の世界観という私生活を覗き見るような楽しさが、カミロボの隠れた魅力ではないか。自分の少年時代を思い返し、そう思えた。

関連情報サイト
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ひと:安居智博さん=秘蔵の「カミロボ」初公開
2005.04.07 東京朝刊 3頁 3面 写図有 (全791字)
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