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イルカにまつわる不思議な体験談
イルカが人間をサメから救った!?
2005年2月4日 (text by な)

宇宙に送るメッセージ。星に願いを。月にも願いを。

昨年「イルカの群れの助けでサメの襲撃を免れた」という体験談が報じられた。これは05年の10月末にニュージーランド北島のワンガレイ海岸沖で起きた出来事で、この不思議な体験をした海難救助隊員は「サメの存在を海岸の遊泳者に知ってもらうために地元紙などの取材に応じたというものだ。

この海難救助隊員は自分の娘ら少女3人と一緒に海岸100メートル沖で泳いでいた。そのうちイルカ1頭が近づき、目の前で潜った。よく目を凝らしてみると体長3メートルほどの灰色のサメが自分たちの周囲を旋回しているのが見えた。しかし、そこにイルカの群れが現れて、4人を取り囲むように40分あまり一緒に泳ぎ、サメの襲撃から守ってくれたという。

イルカが人間を助けるという不思議な体験。実は他にも例があるという。過去にどのようなことがあったのか、G-Searchの「新聞・雑誌記事横断検索」を使い調べてみた。

検索するキーワード

イルカが人を救った出来事を調べるため、「イルカ and 救助」で検索をする。しかし、このキーワードでは”イルカを救出する”内容の記事もヒットしてしまう他、各新聞社によって表現方法が異なるため、「救助」、「助ける」、「救出」など同じ内容でも様々な言葉が使われていることがある。そこで精度を上げ、且つより多くの記事を調べるために今回は「( イルカが or イルカに) and ( 救助 or 助け )」として検索を行った。

検索結果を見ると「イルカ and 救助」では168件、「( イルカが or イルカに) and ( 救助 or 助け )」では182件の記事が見つかった。ほとんどの記事がどちらのキーワードでもヒットしたものの、後者のほうが「イルカが(人を)助ける」という内容の記事をより多くヒットさせることができた。

世界各地で報告

上の検索でヒットした記事から過去の「イルカの人命救助」に関する記事をピックアップしてみた。

年代:1988年
場所:ジャワ島南西沖
状況:転覆した船の乗組員を暗闇の中、近くのデリ島まで誘導

年代:1989年
場所:オーストラリア東部沖
状況:サーフィンを楽しんでいた青年がサメに襲われるが、3頭のイルカが現われサメを追い払う

年代1996年
場所:ペルー西部パラカス半島沖
状況:海水浴中に溺れかけていた青年を5頭のイルカが海岸まで押し戻す

年代:1996年
場所:エジプトの紅海
状況:ヨットから回遊中のイルカの群れのそばに飛び込んだ男性をサメが襲い腕をかまれた。救助を求めた男性の近くにヨット乗組員が近寄るとイルカがサメの接近を妨害し、男性は無事救出された。

年代:1992年
場所:カリブ海
状況:密航を企てたコロンビア人男性3人が出航後に乗組員に見つかり、カリブ海へ突き落とされた。3人中2人はイルカの群れに囲まれることでサメから護衛され、36時間後に救助された。

これを見ると世界各地で「イルカの人命救助」が行われていることが分かる。
また驚くべきことに、単にサメなどの外敵から人を守るだけでなく、漂流している人を海岸まで誘導するなどの行為も行っていることがわかった。

なぜイルカは人を助けるのか?

記事によると、「イルカの人命救助」は古くはギリシャ神話や伝説にも出てくるという。また、ワニに襲われた漁師や溺れた子供を助けたという伝説が残る地域では、イルカは人の生まれ変わりと信じられている。

最近では、突然イルカが現われて土地の人と仲良しになり、しばらくして去っていくという事例や漁師の作業を手助けする例も報告されている。

では、なぜイルカは人に近づこうとするのだろうか?イルカは好奇心旺盛なことで知られているが、記事によると海面や海中を漂っているものに関心を示し、つついたり、体をこすり付けたりすることがあるという。海面にいる人に対しても同様に興味を持ち近づいたと考えられる。

ただ、意図的に人を助けたのかどうかには疑問が残る。イルカには弱者を助ける習性があるという報告もあり、サメなどの外敵に襲われている人の周りを旋回して妨害する仕草はまさにそれに当たると言えるが、知性があるとは言い切れない。研究を続けていく上で解明されるはずだ。

野生動物ということは忘れてはいけない

偶然か意図的かは別として、結果的にイルカは人に対して好意的であるといえる。人間も、イルカに対して好意的に接することが多く、”やさしい動物”としてのイメージが定着している。

イルカセラピーと呼ばれる動物介在療法にも注目が集まっており、動物のもつ癒し効果が期待されている。

その一方で、野生のイルカには近づかないほうがいいとする考え方もある。最近の研究では野生のイルカが子供や小型のイルカを殺すなどの例が見つかっており、殺し屋のイメージすら出てきていると言う。

イルカと一緒に泳げる観光ツアーが人気を集めているが、エサを求めるイルカに手を噛まれたり、ぶつかられたなどの被害報告も出ている。飼育された動物と野生の動物は同じように考えてはいけないようだ。

とはいえ、野生のイルカに助けられたという報告が数多くあるのも事実。是非一度イルカ本人(人?)に真相を聞いてみたいものだ。

関連情報サイト
  • ICERC Japan - 国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター
  • イルカ - 公式サイト
関連記事情報(for G-Searchデータベース)
1996.02.02 東京朝刊 31頁 社会 (全282字)
2003.12.22 東京朝刊 25頁 科学 写図有 (全1767字)
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