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新作が待ち遠しい
ドラゴンクエスト8発売!その人気は如何ほど?
2004年12月2日 (text by や)

ドラクエ

ドラクエファン待望の4年ぶりの新作「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」が販売された。ドラゴンクエストは18年前に第1作が発売されて以来、前作まででシリーズ合計3500万本を出荷した超人気ゲームソフトだ。

前作はプレイステーション用ソフトとして国内最高の412万本を記録。今回の8作目でも400万本以上の出荷が見込まれている。

ドラクエといえば、発売時に起きる社会現象とも言うべき数々の騒動が思い浮かべられる。1作目で人気の素地を作ったドラクエは、ドラクエ2で大ブレイク。その入手困難と化したソフトを巡り、発売日に合わせた徹夜を含む行列や、学校を休んでまでソフトを買いに行く子ども達、果てはソフトを目当てとした強盗事件まで起きた。

今回のドラクエ8発売にあたっては、どのような現象が起きているのか、過去の経緯を追いながら「新聞・雑誌記事横断検索」で調べてみた。

1作目は18年前に登場!

ドラクエ1が発売されたのはなんと18年も前。記事データベースでは「朝日新聞記事情報」のみがこの期間を収録対象としている。そこで今回は、「朝日新聞記事情報」を使い、各作品に関連する記事数を調べてみた。

これに合わせて出荷本数を加えたのが下の表だ。

発売年度 1986年
作品名 ドラゴンクエスト
ヒット件数 0件
出荷本数 110万本

発売年度 1987年
作品名 ドラゴンクエストII 悪霊の神々
ヒット件数 4件
出荷本数 220万本

発売年度 1988年
作品名 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
ヒット件数 22件
出荷本数 380万本

発売年度 1990年
作品名 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
ヒット件数 45件
出荷本数 300万本

発売年度 1992年
作品名 ドラゴンクエストV 天空の花嫁
ヒット件数 22件
出荷本数 280万本

発売年度 1995年
作品名 ドラゴンクエストVI 幻の大地
ヒット件数 11件
出荷本数 320万本

発売年度 2000年
作品名 ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
ヒット件数 39件
出荷本数 412万本

発売年度 2004年
作品名 ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
ヒット件数 13件
出荷本数 3日で300万本

これを見ると、ドラクエ1は出荷本数こそミリオンセラーを記録しているが、新聞記事への掲載件数はなんと0件。ゲームファンの人気はあるもののまだまだ社会現象には至らないレベルだった。

人気を決定付けたのがドラクエ2の発売だ。ドラクエ1のスケールを更に拡大したこの作品から、あまりの人気にソフトが入手困難となり、それが社会現象まで発展した。

社会現象と化したドラクエ2

ドラクエ2発売時は、発売と同時にファンが全国各地のおもちゃ店へ殺到。即日完売の店が相次ぎ、流通段階の在庫も一瞬にして払底した。各おもちゃ店では次回入荷にあたり販売用の整理券を抽選で配る対策をとった程で、筆者も抽選に参加したが数百人の申込みに対し入荷は数十本と少なく抽選に漏れた記憶がある。

さらにドラクエ3発売にあたっては、ドラクエ2で経験した入手困難さを買い手が理解。品薄の商品を求める多くのファンにより騒動も拡大する事となる。

例を挙げると、予約制をとっていない量販店では、徹夜組を含め1万人もの長蛇の行列ができた程。その行列には学校をサボってまでソフトを買いに行く子供の姿も多くあり、彼らが補導される記事も目立った。また、子どもの代わりに行列に並ぶ親の姿も多くあり、彼らの中にはソフト欲しさに会社をサボる社会人までいた程。さらにはソフトを目当てとした強盗事件までもが多発した。

当時の新聞記事を調べると、こうしたドラクエ騒動を受け、警察が販売店側に対応を要望する他、各方面で様々な方策がとられる異例の事態となった様子が読み取れる。

※ドラクエ3発売当時の販売関連措置

  • 東京都教育委員会が「学校を休んで買いに行かないよう指導を」と異例の通達
  • 不人気ソフトとの抱き合わせ販売が発覚、公正取引委員会が調査
  • 警察庁がソフト販売に際し”予約券発行”をとるよう問屋・小売業者に要請
  • 東京都内の量販店がソフト販売を土・日曜だけに限定する”自粛”を実施

ドラクエ8で混乱は?

これら大人気ソフトの続編として登場したドラクエ8は、11月27日の発売日から3日間で300万本の出荷を記録した。

この出荷本数は、人気絶頂期の総販売本数に匹敵する数であり、ソフトの人気と期待の高さが伺える。ところが、以前は社会現象にまで発展した品不足や、それによる行列等の社会現象に繋がる騒動は今回見当たらない。行列があったとしても首都圏の一部で発売を待ちわびる熱心なファンがイベント的に参加した程度だった。

このように、出荷本数自体が飛躍的に増えたにもかかわらず、混乱が回避できた背景には何があるのだろうか?

先程調べたドラクエ8発売関連の新聞記事にそれらが触れられていた。

それらの記事によれば、ソフトの初期出荷本数が多く作られた事と、時代の変化による販売経路の様変わりが理由として挙げられていた。

販売経路としては従来のゲーム小売店・ディスカウントストアに加え、インターネット販売の普及とコンビニエンスストアでのゲームソフトの取り扱いが加わり、誰でも容易に人気ソフトを購入できる環境が用意されたのだ。

肝心の出荷本数についても、ROM版ソフトからDVDソフトへ移り変わった事による大量生産が容易な環境変化があった。
※ドラクエ3では半導体不足による生産個数不足により発売日を遅らせた経緯がある。

その結果、販売先・流通数共に十分に提供される事となり、ドラクエ3等で見られた社会現象的な騒動が回避されたのだ。

今回のドラクエ8は3Dグラフィックの美しさなど、以前のアナログ的イメージが強いドラクエとは一線を画す出来栄えだ。販売経路のスムーズ化といい、時代の流れであり歓迎すべき事なのだが、ドラクエが宝のように感じられた時代を思うと、少し寂しい気もする。

関連情報サイト
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1988.02.22 東京朝刊 26頁 社会 (全897字) ※本文50円
2004.11.29 東京朝刊 22頁 特集 写図有 (全1123字) ※本文50円
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