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旬の話題
2004年10月14日更新

驚きや発見から希望まで「三越」が目指すものとは?

江戸時代に呉服屋として開業した「三越」が、「デパートメント宣言」をして百貨店の先駆けとして洋風の販売方式をとりいれてから100年が経つ。

100年も続けば安泰だ。と思われるが、百貨店業界は昨年まで7年連続で売上げが低下するなどバブル崩壊の影響からいまだ立ち直れていない。三越の業績も03年度の売上げ高が9千億円余りと、ピーク時(91年)よりも約2千億円も少ない状況だ。

2002年に三越の社長に就任した中村胤夫氏は、今後のデパートには「独創的、個性的な店作りが必用」と強調。「百貨店の原点に戻り、驚きや発見、希望などをお届けしたい」と語り、デパート開業100年目という節目にも合わせた大きな改革を打ち出している。

●三越の企画をデータベースから調べてみる

百貨店として100年を迎えた三越は「デパートメントストア宣言100周年」を記念するイベントをいくつも開催している。

新聞・雑誌記事横断検索を用いてキーワードを「三越 AND 100年」として検索をすると、関連イベントが今年に入ってから次々と開催されている事がわかり、このイベントに対する三越の意気込みが伝わる。

記事の中から主だった企画をピックアップしてみた。

1) 本店の新館設立

三越の「デパートメントストア宣言100周年」一番の目玉が本店の新館オープンだ。

新館では「和」テイストの婦人服や雑貨フロアを配置した他、海外店舗網を生かして集めた自前の海外雑貨ショップ「グローバルメッセージ」を開設するなど、ブームと独自性を重視した作りだ。

三越日本橋店の平均来客者数はこれまで3万5千人、平均滞在時間は96分だった。新館設立にあたり各階にソファを置き休憩スペースを用意する他、目玉商品やイベント開催により平均来客数5万人、平均滞在時間は120分に延ばす事が目標となっている。

また売上げ目標は初年度に210億円を掲げ、10月11日の開店初日で約10億円を売上げるなど順調だ。

2) 高額目玉商品

中村胤夫氏が目指す独創的な店舗を表現するものが商品だ。
氏の「驚きや発見、希望を提供する」といったコンセプトにより、本店新館オープンの目玉としてビックリする商品が販売された。

それが「100カラットのダイヤモンド」だ。金額はなんと29億4000万円。
さらに能装束(3,675万円)も販売されるなど、とてもではないが手は届かないが見ごたえのある商品が販売されている。

また、今年の夏にも「100年に一度のサプライズアイテム」と題された過去最大級の規模で逸品・希少商品販売を開催。主要取引先から集めた秘蔵品100点が出展、いや販売された。

以下はその一例。

  • 純金千両箱(純金を約36キロ使用した千両箱に擬した工芸品)
    → 1億500万円

  • 明治初頭に発見された法隆寺夢殿の四騎獅子狩文錦を、初代龍村平蔵が昭和初期に復刻したタペストリー
    → 1,155万円

  • パリ万博に出品されたエミール・ガレの花瓶などの工芸品
    → 1億2,600万円

  • 3千粒のパールを施した女性下着
    → 1,050万円

  • シャガールの絵画「二つの花束」
    → 6,825万円(91年に2億8,000万円の売値を付けた作品)

  • 御影(みかげ)石のオリジナル胸像制作
    → 105万円

    この企画は、上の純金千両箱が売れるなど好評を博したようだ。

3) 独自商品の販売

三越ではお客に驚きを与える商品販売の他、他の百貨店との差別化を図る独自商品開発にも余念がない。

一対一の接客を重視し、お客さんの声を商品開発に生かす他、「百貨店100年」を記念してさらに個性の光る企画が登場した。

例えば、

  • 三越の呉服屋時代から門外不出として伝わった着物の図柄を用いたTシャツやバック
  • 「やさしい視点から生まれた、やさしい着心地の素材たち」をコンセプトとした衣服、雑貨販売
  • 「カルティエ」と「ティファニー」の特別企画商品販売
  • 「エルメス」のスカーフをテーマにした特別催事
  • 川島織物の帯地を使った「コーチ」のバック
  • 百貨店100年を迎えた記念商品で、新しいファッションとして話題の和洋折衷サンダル
など三越独自の企画がなされている。

こうした企画を次々推進する中村社長は、今年日本百貨店協会の新会長に就任し、協会の定例総会後のパーティで「百貨店業界は反転攻勢へ打って出る」と宣言した。

独自性/個性的な商品に加え企業ブランドを再度確立すると力強く宣言する中村社長。

三越ではこれらの企業方針を確立したうえで、さらに小売りの原点に帰った一対一のマーケティング進めている。この三越の改革がどんな結果になるか、現在改革を必要とする多くの企業は目が離せないだろう。

※次回更新日は、10月21日(木)の予定です。 バックナンバーを見る トップにもどる
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