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2004年6月10日更新

新感覚言語?「萌え」の謎を追う

●萌える?

萌え。

一般的には「若芽が伸びる。芽が出る。」といった意味で使われるこの言葉が、ネットや秋葉原を中心としたいわゆるオタク文化の中で意味を変え広まっている。

新たな用途を持ち広まりつつある「萌え」だが、意味ははっきりと定義付けられていない。
新聞・雑誌記事横断検索を利用して、新聞過去記事から萌えの解釈を検索すると次のような定義が不確定ながら見つかった。

  • かわいさが心の琴線に触れて胸ときめくこと。
  • 作品に登場するキャラクター、あるいは服装、容姿など特定の様相に対し、深い思い入れを抱く状態。
これによると、主にキャラクターやアイテムへの擬似恋愛的な愛情を表し、人間に対しては使用され難いようだ(人間としてはアイドルに向けて使われるがリアルに接する人間ではなく、あくまでキャラクター要素を持つ人間という事だろう)。


●萌えの用法

用法としては「○○萌え」といった「対象名+萌え」の構成で使われ、○○には萌えの対象となるキャラクター名やアイテム名が入る。さらに「萌え萌え〜」と繰り返す事で、語感を強調をする事が可能だ。

様々なキャラクター名が使われるのは当然だが、萌えの対象はキャラクターには留まらず、アイテムやシチュエーションまで含むのが特徴的だ。

例えば「メイドさん」や「ネコ耳」といった特定の「要素」を対象として萌えを使用するケースもあり、その場合「メイドさん萌え」と表現する。

こうした特定要素に対する萌えは「萌え要素」と呼ばれ、それぞれの要素毎、データベース的に細分化する事が可能だ。

これは、個人の嗜好を萌え要素という記号に置き換える事を意味し、いわばフェチ的要素を集めたデータベースが自然発生的に形成されているようなものだ。

萌え要素を用いる事により、作品やキャラクターによる分類に限定されず、彼等のニーズにあった「萌え」を見つけ出すことが容易となる。

こうした萌え細分化の動きはアニメ等の提供社側でも考慮されており、アニメ作品にも萌え要素を強く意識した物が目立つようになった。

例えば、雑誌の読者企画から始まった「シスター・プリンセス」というアニメでは、主人公に好意を抱く12人の妹がいるという設定。

普通に考えればストーリーとして機能しそうもない設定だが、12人の妹キャラにそれぞれ別の萌え要素を与え、萌えをひたすら追求した作りとなっている。

これだけ「萌え」に対しあからさまな作りの作品が強い支持を集めている事から、「萌え」が新たな形式美として浸透した事が伺える。


●萌えの起源

萌えの起源については諸説あるが、萌えが元から日本語として存在した言葉だけに起源はあいまいだ。新聞・雑誌記事横断検索を利用して調べてみると、有力な説としては次のものが見つかった。

  • 20年程前、若者向け雑誌で使われたのがはじめ。
  • 93年〜95年あたりのパソコン通信が盛んになってから、フォーラム書き込み時の「誤変換」による語呂合わせから広まった。
  • アニメ「美少女戦士セーラームーン」の流行、そのキャラクター「土萠ほたる」の登場により汎用され定着。
曖昧な点が多い萌えの出現だが、パソコンの「誤変換」から生み出され、パソコン通信のフォーラムやインターネットの掲示板などを通じて広く広まっていった点には間違いなさそうだ。


●日本人の美意識としての「萌え」

上で萌えを形式美と表現したが、萌えを「侘び」「寂び」に並ぶ、日本的な美意識であるとする説もある。

これは、9月にイタリアで開かれる国際的な建築展「第九回ベネチア・ビエンナーレ建築展」のコミッショナーを務める建築学者「森川嘉一郎」氏によるもので、複製物にもオーラ・繊細な感情を見る「萌え」が侘び・寂びと並ぶ日本の美意識になりえるという考えだ。

確かに古くは浮世絵によるジャポニズム、最近では漫画・アニメによるオタク文化の浸透など、日本文化が海外に及ぼす影響は数多くある。

これらに続く日本的文化として「萌え」が海外に広がるか期待したい。

※次回更新日は、6月17日(木)の予定です。バックナンバーを見る トップにもどる
このコラムについて

最先端過ぎてついていけないアナタに。


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