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旬の話題
2004年4月15日更新

消費税総額表示対応でワタワタ

4月1日より消費税総額表示が導入された。小売店では表示の切替え等の対応に追われ、3月末からそれにまつわる対応やトラブルの話題を見かける。

今回は、この消費税総額表示について調べてみた。

消費税総額表示は財務省による義務付けで、販売業者が消費者に対して「値札」「広告」など価格を含んだ表示をする際には、消費税を含んだ金額を表示しなくてはいけない。

目的は、消費者が購入する商品金額がいくらであるか判りやすくする為とされている。

では総額表示に対応すると、どれだけ価格が見やすくなるのだろうか?
調べると、価格表示方法は6パターンも存在した。

例えば100円の商品であれば次の方法が考えられる。

    パターン1 105円(本体価格100円、消費税5円)
    パターン2 105円(うち消費税5円)
    パターン3 105円(うち本体価格100円)
    パターン4 105円(税込み)
    パターン5 105円
    パターン6 100円(税込み105円)

消費税総額表示の対応は各店まちまちで、上記の表記が混在すると考えられる。
これでは消費者にとって便利になるとは一概に言えないのではないだろうか?

実際4月以降に起こった混乱は無いか、新聞・雑誌記事横断検索を利用して調べてみた。


●実施後どうなったの?

検索対象範囲を4月1日以降として、キーワードを 「消費税総額表示 AND (混乱 OR トラブル)」 とすると、20件近くの記事がヒットした。

記事を読むと、消費税を2重取りした例が一部店舗で起きたが、消費者の価格表示に対する大きな混乱は無いようだ。
しかし一方では、総額表示の値上感による買い控えを恐れ、多くの小売業者では値下げ等の対応に追われている。

主な小売業者の対策として次のものが見つかった。

  • イオン : 自社ブランド品の本体価格を税込価格に(実質消費税分の値引き)
  • イトーヨーカ堂 : 4日まで、ほぼ全商品1割引き
  • 西友 : 1310品目を1〜3割値下げ
  • ノジマ : 本体価格を税込み価格に(実質消費税分の値引き)
  • ヨドバシカメラ : 5月10日までポイント還元率を3%高く設定
  • コジマ : 6〜7割の商品で、従来の本体価格を税込み価格に(実質消費税分の値引き)
  • ユニクロ : 全商品を値下げ。値下げ率は最大4.8%

これを見ると消費者に値上げと感じさせないよう、消費税を自社で負担する企業が目立つ。


●企業負担額は1社5,910万円!

上の例にもあるように、小売業者は総額表示対応・対策として多くの負担を強いられている。実際どれだけの負担があったのか、新聞・雑誌記事横断検索で調べてみた。

記事によると、総額表示義務化による主な負担として、「値札の張替え」「ポスター等広告の変更」「POS等の会計システム変更」が紹介されている。

日本チェーンストア協会の会員企業に対する調査結果によると、こうした総額表示対応にかかるコストは一社平均5,910万円に上るという。

また、全国約七千八百店舗のレジと商品在庫を管理するコンピューターシステムを一斉に切り替えたローソンでは、対応費用は5億円(!)だという。

また出版業界では全書籍の表紙を取替える必要があり、不況の中、需要の少ない書籍の廃刊が危惧されている。

こうした対応費用の他、消費者に値上げ感を与えないよう値下げを強いられ減収に陥るケースもある。

ある小売業者では「効率化にもつながらない、まったく無駄な出資だ」と今回の対応費用について語った。特に中小の小売業者にとっては、今回の対応コストが深刻な問題となっている様子が読み取れる。


●隠れた負担増

総額表示により負担増を強いられる小売業者だが、さらなる負担増が予定されている。
消費税の端数処理特例が打ち切られるのだ。

消費税は端数切り捨てなので、今までは切り捨てられた分の端数は納税義務がなかった。これを定めていた端数処理特例が2007年の4月1日で打ち切られる。

つまり小売業者は、消費者から貰っていない消費税の端数も上乗せして納税する必要が生じる。

例えば、

150円の商品を売った場合、商品は消費税込で157.5円だが、端数の0.5円は切り捨てて消費者へ請求する。現在は157円分の納税を行えばよいのだが、2007年4月以降は未回収の0.5円分も含めて納税する義務が生じるのだ。なんとも不条理な話だ。

また、今回の総額表示を伏線として消費税率変更が行われるとの推測もある。
仮に税率変更が行われた場合、小売業者は内税表記にした為、税率変更への柔軟な対応が取れずさらなる負担を強いられることとなる。

端数処理特例の問題や消費税率変更により消費税に関する話題は必ず再燃すると思われ、今後も消費税関連動向について注意する必要があるだろう。

※次回更新日は、4月22日(木)の予定です。バックナンバーを見る トップにもどる
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