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デビュー以来105連敗という驚異の記録を誇る競走馬のハルウララが、見事な負けっぷりで競馬ファンを超えた人気を集めている。
一風変わった人気を集めるハルウララは、高知競馬で走る競走馬だ。98年11月のデビューから今まで、なんと一度も一着を取っていないという。地方競馬全国協会も「一勝もしないなんて聞いたことがない」と驚く程だ。
競馬では、ここまでの連敗を続けると処分場行きとなるのが普通で、走り続ける事は難しい。しかし、調教師である宗石大さんの「元気で走れるうちはレースに出してあげたい」という思いと、馬主のはからいでハルウララは今まで走り続けてきた。
こうした地方競馬界で異色的存在であるハルウララの「負けっぷり」が、口コミで広まりブームとなったのだ。
人気が全国まで広まってきたのは連敗が90を超えるあたりから。
新聞やテレビでその姿が取り上げられ、高知競馬にハルウララを目当てとしたファンが訪れるようになったという。
人気に押されたハルウララ、3月22日に行われたレースでついに武豊騎手が騎乗した。結果は出走馬11頭中10着と見事に106連敗を果たした。
●地方新聞からハルウララ人気を探る
高知県の地方新聞「高知新聞記事情報」でハルウララに関する記事を検索してみた。すると全部で98件の記事がヒット(2004年3月25日時点)、一番古い記事として2003年6月13日の記事が見つかった。
この時ハルウララは88連敗中。「1回くらい勝とうな」と、ハルウララ誕生にまつわるエピソードが紹介されている。その後、負けるたびに記事となるハルウララだが、新聞記事の見出しを追ってみると次第に過熱する人気が伺える。
主な記事の見出しだけを見ても・・・
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2003年10月 |
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直木賞作家の重松清が「ハルウララ物語(平凡社)」を来年一月に刊行 |
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ハルウララのお守り登場 |
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| 2003年11月 |
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旅行会社「ビッグホリデー」ハルウララ応援ツアー企画 |
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| 2003年12月 |
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| 2004年1月 |
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ハルウララ本第2弾。吉川良が「高知競馬のハルウララ(源草社)」を刊行 |
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ハルウララ本第3弾。岡本弘さん執筆の「またも負けたか100連敗(アスク出版)」刊行 |
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| 2004年2月 |
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ハルウララの高知競馬の馬券が全国販売決定 |
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キリンビールのCM出演決定 |
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ハルウララCD発売「ハルウララの詩−ただひたすらに」 |
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限定二万枚の切手シート発売 |
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| 2004年3月 |
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映画化決定。来春公開予定 |
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武豊騎手が騎乗の106戦目を生中継 |
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何と関連書籍は三冊も発行。CD発売はもちろん、ついには映画化まで決定していた。
●勝てなくてもいいじゃないか
負け続けることで人気を得たハルウララだが、その人気はどこからくるのだろうか?
ハルウララが活躍する高知競馬は、昨年累積赤字が約88億円まで膨れ上がった。今年度は赤字を生まない事が条件として存続しているが、第一四半期で赤字を2500万円以上出すなど苦しい経済状況だ。そこで今年度途中から、レースの出走手当を従来の半額とする経費削減を断行した。
こうした高知競馬の不況を受けて、ハルウララが所属する厩舎も存続の危機に立たされていた。馬の預託料も少なく出走手当てもカットされ、厩舎に敷く藁さえ買えない状況だったという。
出走手当てがカットされた事により、勝てない馬を出走させ続ければ足も出かねない状況となったのだ。
しかし調教師の宗石大さんは「馬で生計を立てているんだから、馬を粗末に扱って勝手に定年を決められないんです」と、ハルウララを負けても負けても走らせ続けた。
合理的に考えれば処理場へ送られてもおかしくないハルウララが、負けても負けても走り続ける。ハルウララのその姿は、不景気の世の中、合理化を名目としたリストラや早期退職を見てきた日本人にとって清々しく映るのかもしれない。
勝ち組、負け組といった枠組みを飛び越えながら走るハルウララを自分に置き換えると、ついつい声援に熱が入るのだ。
※次回更新日は、4月1日(木)の予定です。
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