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2004年2月26日更新

落語が子供に大人気!【寿限無】人気の秘密を探る

●落語「寿限無」が子供達に人気

子供達の間で「寿限無」が流行っている。

寿限無とは有名な古典落語。お坊さんに縁起の良い言葉を教えてもらった男が、生まれてきた自分の子供にどうせならば、と、縁起の良い言葉をひたすら付けたものだからもう大変、という話だ。

落語の見せ場としては、その子供の名前を呼ぶところ。

「寿限無寿限無、五却の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝る所に住む所、薮ら柑子ぶら柑子、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」

という名前を呪文のように唱える。
なんと、この寿限無を暗唱することが子供の間で流行っているのだ。


●「寿限無」ブームの発端

そもそもの発端はNHK教育テレビで放送される「にほんごであそぼ」という番組だ。
番組内で町のおじさんやおばさん、高校生達が寿限無を暗唱して競うコーナーがあり、それを見た子供達の間でブームとなった。

寿限無に対する子供達の反応は、

 「早口で話すのが楽しい」
 「クラスで言えた時間を計って遊んでいる」

など、もっぱら落語としでは無く言葉遊びとして流行しているようだ。

寿限無はリズムが良いことから覚えやすく、暗唱できるようになった後も早口で話すなど楽しみ方は沢山あるようだ。


●「寿限無」ブームでCD売れる

寿限無がブームとなれば、本職の落語家もだまっていはいない。
早速、柳家花緑さんが「じゅげむ」というCDを発売した。

このCDでは、いわゆる寿限無の他に花緑さんによる「ゆっくり」「普通」「早口」といった3パターンの言い分けによる寿限無を聞くことができる等、子供達を意識した作りが特長的だ。

その他、花緑さんパートナーとなる林家きく姫さんが演じた「寿限無」収録のDVDが発売され、もともとCDやビデオでの発売がほとんどされていない寿限無だけに、売れ行きも好調だという。


●落語家「寿限無」で踊る

落語家による寿限無CDはこれだけに留まらない。
若手7人の落語家があつまり、寿限無をラップにしてしまった。

もともとが韻を踏む落語だけにラップとの相性がいいとの事。ユニット名も「大江戸台風族」とそれらしい感じだ。新聞・雑誌記事横断検索で調べてみると、歌詞は「聴きようによってはラブソング」、「後半の超早口のパフォーマンスが圧巻」など、なかなか評判が良いようである。


●「寿限無」で日本語を教える

こうした寿限無ブームを受け、日本語教育として落語を取り入れる小学校も現れた。

横須賀市大矢部小では、1年生の授業として寿限無を教えている。担任の浦嶋氏によると「日本語の響き、テンポを大切にしようと、教室で始めたところ皆はまった」という。最後には受け持つクラスの生徒全員が、暗唱できるようになったというから凄いものだ。

このような落語による日本語教育について新聞・雑誌記事横断検索で調べると、齋藤孝氏による著作「声に出して読みたい日本語」の書評が見つかった。

齋藤氏は暗唱をすることで日本語の感性を養うことができると寿限無を推薦している。

それによると、調子がよく自分でも言ってみたくなる寿限無は、はじめ意味がわからなくても、もう一回聞いて意味を知りたいと思うようになる。こうした点において日本語教育に適しているとされている。

子供にとっては意味が判らなくてもテンポのよい言葉を覚えるのは楽しく、興味を持った後、一歩進むことでさらに深い意味を知る楽しみが待っている。そうした日本語教育の見地からも、寿限無は注目を集めているようだ。

※次回更新日は、3月4日(木)の予定です。バックナンバーを見る トップにもどる
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こんな小学生が現れるかも!?


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